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JALの復活とANAの不満 –2/2 [稲門機械屋倶楽部]

                                                 WME36 村尾鐵男


国会議員の名前と空港の名は伏せますが、誰もが知る有名な国会議員の票田となる空港へは定期便が蜜に飛んで大きな赤字を生み出しました。

JALが持ち堪えられなくなって破綻したとき、幸いにして国交相は民主党の前原氏で、選挙区の京都にはこれも幸いにして定期便の飛ぶ大きな空港がありません。航空輸送業界にしがらみののない国交相の下で、JALは思い切って赤字路線を廃止することができました。言い換えれば、錦の御旗の下で黒字路線だけの運航が可能になったのですから、業績が三年足らずで回復したのは当たり前です。

一方のANAは赤字路線を廃止するための錦の御旗がありません。ANAが不公平な競争だと主張するのはまさにこの部分です。しかし、公共交通機関であることを標榜するANAには、「赤字路線を廃止させろ」とあからさまに主張することもできません。「JALにも赤字路線の運航を再開させろ」とも言いたいでしょうが、これもあからさまには言えません。
それ故の「不公平な競争」と言う歯切れの悪い表現になったと推察されます。

もう直ぐ国政選挙です。今この時にANAが赤字路線を廃止したり減便したりすれば、その地方空港を選挙区に持つ国会議員は苦境に曝されます。ANAには気の毒ですが、当分の間は赤字路線を今と同じに運航し続けなくてはならないでしょう。
赤字路線の運航には黒字路線、たとえば羽田・那覇、羽田・札幌などの路線の増便が約束されますが、失われた10年とか20年の不況下で黒字路線で赤字路線を埋め合わせることができません。  (了)


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村尾鐵男

一つだけ追加します。
ANAが増資公募を考えていた矢先にJALが再上場して6000億円ほどを市場から吸い上げてしまったので、これもANAの不満となりました。
by 村尾鐵男 (2012-09-25 15:04) 

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