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DHC-8機 エンジン1基停止 [稲門機械屋倶楽部]

                             2012-8-09 WME36 村尾鐵男


オリンピック報道に掻き消されて新聞では報道されていませんが、昨日午前1057分、日本エアーコンミューター(JAC)の福岡発宮崎行きボンバルデイアDHC-8型機が双発エンジンの一方を停止させて福岡空港へ戻って無事に着陸しました。

同社の発表では、離陸後10分ほど経ったとき、左側エンジンの潤滑油圧力が低下したので、操縦士の判断でエンジンを停止させ、右側エンジンのみで福岡空港へ戻ったとのことです。

DHC-8
型機のエンジンはターボプロップ・エンジンで、私自身がこのエンジンを扱ったことがないので曖昧な言い方で恐縮ですが、潤滑油の圧力は50PSIから100PSIの間くらいでしょう。
PSI
とはポンド/平方インチで、上記の油圧は概ね6.8kg/㎠から3.48kg/㎠の間となります。
尚、軍用機は、被弾したときに、潤滑油が瞬時に機外へ流出しないために、民間機の半分ほどの圧力に設定されています。


エンジンを損傷させないために、油圧とか油温が規定の範囲を越えた場合に、そのエンジンを飛行中でも停止させるのは正常な操作であり、事故ではなく、単なる故障です。
油圧低下は潤滑油がエンジンから漏れていることも考えられ、エンジンをそれでも廻し続ければ、火災を起こす危険もあり、このエンジンを停止させるのは極めて正常な操作です。

双発以上のエンジンを備えた民間機の場合、その一基が停止しても高度を下げずに飛行を継続できることが型式証明、即ち耐空性を有すると認める条件になっており、そのように設計され製造されています。
飛行中にエンジンが停止するか、停止せざるを得なかった場合を Inflight Shutdown と呼び、それは1万飛行時間に1回起こるかどうかの低い発生率です。 (了)


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