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中国共産党政権の近未来 –5/6 [稲門機械屋倶楽部]

                            2012-7 WME36 村尾鐵男 

権力闘争の護符


今年の春、重慶市の市長を務めていた薄煕來(ポー・シーライ)が失脚した経緯は既に記しました。薄煕來は重慶市でも前任地の遼寧省でも民衆には人気のある政治家でしたが、党の権力闘争で敗れました。胡錦濤の出身母体である共産党青年団に属する者を団派と呼び、江沢民の流れを汲む上海派、次の主席を約束された習近平や薄煕來のように親が共産党の幹部であったものを太子党と呼び、この三派がまさに血で血を洗う抗争を続けているのが中国共産党の実の姿であり、その護符が「保八」です。この護符を頭上に掲げ続けられる者が権力闘争の勝者となります。
 


中国共産党の権力闘争に敗れると


日本には元首相と呼ばれる者が少なからずおりますが、誰も生命を脅かされることはありません。民主主義国家では政権は選挙で交代し、恨みっこなしです。選挙で落選した元議員は木から滑り落ちた猿と言われて人畜無害の存在と見做されます。
ところが、中国のような独裁国家では政権交代の制度がなく、常に権力闘争の勝者が最高位に座り、敗れた者は命の危険にも曝されます。
ですから、まさに自分の命を護るためにも必死の権力闘争が続けられ、国民の自由と生活向上は二の次、三の次で、事実上は蚊帳の外に放置されたままになります。
その政治家に仕える官僚は保身と自己弁護に長け、家族を連れていつでも外国へ逃れられるだけの財産を収賄で稼いでおかなくてはなりません。 


中国人の本音


中国人は表向きは日本を非難し、今やその日本をGDPで追い越した中国に誇りを持っているかに振る舞います。しかし、本音は静かに暮らせる日本やアメリカに住むことに憧れています。でも、それを声に出すと命に関わります。


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村尾鐵男

主題から離れるので書いておりませんが、1971年、毛沢東との権力闘争に敗れて国外へ逃亡した林彪はモンゴルで乗機が墜落して死亡。その遺体の写真が公開されました。
同じく毛沢東と争った劉少奇は倉庫へ監禁されて死亡し、夫人も群集の前で引き出されました。
あの周恩来も毛沢東との闘争に敗れ、晩年は病気治療の代金にも困ったと伝えられます。
政権交代のルールがないと、権力闘争の本人は命を賭けることになり、もっと迷惑するのは国民です。
今日、前任者が引退後、或いは引きずり降ろされた後、直ぐに処刑されることはさすがになくなりましたが、それでも間もなく頂上を降りる胡錦濤にとってときに悪夢となることもあり得ます。
by 村尾鐵男 (2012-08-06 08:02) 

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