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オスプレイの事故率とは [稲門機械屋倶楽部]

                                                  2012-7-20 WME36 村尾鐵男


「米国海兵隊が普天間基地へ配備する新型輸送機MV22型オスプレイの事故率が10万飛行時間当り1.94回であり、海兵隊所属の全飛行機の平均値2.45よりかなり低く、空軍の特殊任務機である同種のCV22型の事故率13.47より格段に低い」と、オスプレイの事故発生率に関して新聞やTVで報道されましたが、何とも不親切な報道内容です。

先ず、事故は「搭乗員が死亡、又は、軍務継続不能の後遺症を伴う負傷を受けた場合と、搭乗員が無事でも、機体が200万㌦(16千万円)以上の損傷を受けた場合」と定義されます。

10万飛行時間とは、1機の飛行時間ではなく、全機の飛行時間の合計値で、さらに軍用機の飛行時間が極めて少ないことに留意しなくてはなりません。民間航空の旅客機は年間3,000時間から3,500時間を飛行しますが、軍用機は一般的に500時間も飛べば多い方で、平均的には350時間ほどでしょう

普天間基地へ配備されるオスプレイは取り敢えず12機です。10万時間を12機で割って、さらに1機が年間500時間を飛ぶとすれば、16年間か17年間に1.94回、即ち、8年半に1回の事故が発生し、第二陣の12機も加わって24機態勢になれば、4年数ヶ月に一回の事故が起きると予測する事故率です。


私は、だからオスプレイは危険だと言っているのではありません。飛行機は軍用でも民間用でも、故障発生率は「バスタブ状」と言われ、西洋式風呂桶の縦の断面状に変化します。最初は風呂桶の縁のように高い故障率を示し、これが急激に減り、風呂桶の底のように低い状態が長く続き、やがて風呂桶の反対側の縁のように急激に増え始め、この辺りが新機種との交代の時期になります。飛行機だけでなく、機械類総てに言える共通の現象です。オスプレイの事故を招く故障の発生は今後急激に減り、30年とか40年を経て再び高くなるでしょう。 ()


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