SSブログ

鉄道と航空へ、今も懲りずに政治の介入 [稲門機械屋倶楽部]

                    2012-7-18 MWE36 村尾鐵男 


新聞の見出しには「JR東海、遂に反発」と書いてあったのですが、79日、大阪市内で会見したJR東海の山田佳臣社長は「東海道リニアに要する9兆円は全額JR東海が出し、先ず、東京・名古屋間を開通させて営業運転で収入を得て、身軽になってから名古屋・大阪間を建設する」と明言し、「途中駅は全額JR東海の負担で建設する」と付け加えました。

この発言は、大阪市長が「大阪駅より新大阪駅の方が周辺の開発に都合が良い。東京・名古屋・大阪間の同時開通を求める」と発言を繰り返し、京都府知事が「京都駅へのリニア駅の併設を求める」と発言していることへの、政治の介入を嫌った強い反発です。


一方、JALが急速に業績を回復し、秋には再上場の計画も公表し、これに自民党と運輸当局とANAも、JALの回復は不公平な競争によるものと反発しています。不公平とは何か。
膨大な額に恵まれた空港整備特別会計の資金で全国各県に空港が建設され、その大半は辺鄙な空港に運輸官僚が現実離れした需要予測を描き、ドル箱の羽田・那覇とか羽田・千歳の増便を餌にして、政治家と官僚が一体になって就航を強要し、その最大の犠牲者がTDAでした。そのTDAを統合したJALの業績が悪化するのは当然です。

JAL
が苦境に陥ったとき、幸いなるかな国土交通相は地元に空港のない前原氏でしたから、不採算路線を惜しげなく切り捨てることができて、当然の結果としてJALの業績は急激に回復しました。今のJALは政治介入を受付けません。

旧国鉄が苦しんだのは衆参議員と地方の政治家の介入で開通させた各地の赤字線でした。100円を売り上げるのに500円も要する赤字線が沢山ありました。
駅を作って鉄道を誘致し、空港を造って航空便で東京と結んで、選挙のときに何票になるのでしょうか。
JR東海は今や私企業です。政治の介入を排除して、理想のリニア鉄道を建設することを望みます。


nice!(7)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

nice! 7

コメント 1

ぼくあずさ

昭和39年(1964)に岐阜羽島駅と新横浜駅が開業しました。
いずれも畑の中でした。岐阜羽島駅前には大野伴睦夫妻の銅像が
建立され、新横浜駅は周辺の土地が買占めされていたことが話題に
なりました。

空港誘致は代議士の威光を示す勲章のようなもの。それは民主党も
同じ。公共投資は優先順序を付けて税金の無駄使い禁止。
by ぼくあずさ (2012-07-18 10:48) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。