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普天間のCH-46はいつまで飛べるか [稲門機械屋倶楽部]

                     2012-7-03 WME36 村尾鐵男


米海兵隊のMV-22 Osprey型機の沖縄・普天間基地への配備について、同機が最近続けて事故を起こしたことから地元は安全が確認されるまでは反対との姿勢を変えていません。
先ず、MV-22 Ospreyは普天間基地で永く運用されて老朽化が著しいCH-46型ヘリコプターに代わるものであることを是非とも知っておかなくてはなりません。MV-22CH-46よりも作戦距離が大幅に長いとか、搭載量が格段に大きいとかの運用上の利点はこの際は二の次です。
  ああCH-46
型ヘリコプターは民間名をVertol-107型と呼び、ヘリコプターの老舗Vertol社がボーイング社の傘下に入ってからはBoeing Vertol-107型と呼ばれ、しかも民間型は1965年から川崎重工業が全生産と部品供給を委ねられています。

V-107/CH-46
型ヘリコプターの初飛行は1958年で、既に半世紀以上も前のことです。一般的にヘリコプターは固定翼機よりも運用期間が長く、新型機の開発も少ないのですが、それにしても超寿命機に属します。
飛行機の故障率は、いわゆるバスタブ型と呼ばれ、西洋式風呂桶の縦の断面形状で見るように、初期はかなり高い値を示し、運用開始に従って急激に減り、風呂桶の底のように長く低い値を保ち、永年の運用による老朽化で急激に故障が増え、この頃が新型機との交代時期となります。


実はCH-46型ヘリコプターの故障発生率が判りません。海兵隊が運用するMV-22型の事故発生率は10万飛行時間当りで1.93回であり、空軍が運用するCV-22型では13.47回と報ぜられています。CH-46型ヘリコプターの事故発生率は1964年度からの統計で、平均5.74ですが、2008年度に2.44を記録し、次の二年度は0です。しかし、そろそろバスタブの一方の端に近付いておりはずで、海兵隊はそれを警戒しているとも推測されます。


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hanamura

あの頃の機体はシッカリしている!使用者の要求に、忠実に応える設計、サービス(今はどうかな?)を、完璧に実現「実現」実現していました。
by hanamura (2012-07-03 20:49) 

村尾鐵男

hanamura さん、コメントを有難うございます。
御指摘の通り、CH-46は頑丈なヘリコプターです。
随分前のことですが、宇宙飛行士が宇宙から帰還してハワイ沖に着水することになり、その警戒のために海兵のCH-46が空母から飛びました。
機長と副操縦士が、このCH-46は宙返りができるだろうかと議論し、誰も見ていないからやってみようとなりました。勿論、この時代のヘリコプターは構造上、宙返りは極めて危険で、荒っぽい海兵隊でも厳禁されていました。
でも、誰もいない太平洋上ですから、思い切って宙返りを敢行して成功しました。任務を終えて本土の基地へ戻ったら、この二人は直ちに厳罰を受けてしまいました。
実は潜水艦が潜望鏡を上げて見ており、映像も残されてしまい、言い逃れができませんでした。
by 村尾鐵男 (2012-07-03 21:20) 

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