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EA-6B から EA-18G へ -2/3 [稲門機械屋倶楽部]

                            2012-04 WME36 村尾鐵男



電子戦とは


電子戦とは、ESM(Electric Support Measure)ECM(Electric Counter Measure)ECCM(Electric Counter-Counter Measure)の三種を主任務とし、簡略して言えば、ESMは敵の無線傍受と逆探知、ECMは敵の電波撹乱、通称ではジャミングと呼ばれます。ECCMは敵による電波撹乱を妨害することです。


この三種の目的を果たすポッドを、旧式のEA-6B型は5個だけ機外に吊るせましたが、新しいEF-18G型では9個に増え、その分だけ偵察、或いは電子戦能力が増加しました。

現在、東シナ海や南シナ海への中国海軍と空軍の進出が脅威となっており、厚木基地の電子戦機を新型に代えたのは、中国軍の電波情報を常日頃から集めておくことの大切さを米国海軍が認識していることを物語ります。尚、厚木基地へ配備された EF-18G型電子戦機は6機で、空母ジョージ・ワシントンの艦載機でもあります。ただ、厚木基地周辺の住民に迷惑なのは、EF-18G もその戦闘機型であるF-18型も一際騒音が高いことです。 
日本の自衛隊も海上自衛隊と航空自衛隊が電子偵察機を運用しています。

昔のことになりますが、私は厚木基地で敵のレーダー電波を撹乱する装置を見たことがあります。これは Chaff Dispenser と呼ばれますが、偵察機や哨戒機から大量のアルミ箔を空中に散布して敵方のレーダー電波を撹乱して使用不能に陥らせます。薄いアルミ箔が布状のまま巻いてあり、相手のレーダー電波の波長を探知し、最も妨害し易い寸法にアルミ箔を機上で裁断して散布します。相手がレーダー波の波長を変えると、その新たな波長を探知して直ちに裁断し直されたアルミ箔が散布されます。

かなり大きな装置なので、EA-6B型やEF-18G型のような攻撃機や戦闘機から派生した偵察機には搭載できませんが、P3C級の大型哨戒機には常備される装置です。


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