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蕗ノ薹味噌和え [フリューレン村だより]

                                              .by ぼくあずさ


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IMG_4040.JPG今年は随分と少ししか蕗ノ薹が採れなかった。

味噌和えのホロ苦さを炊きたての白飯に少しばかり乗せて食べる。次いで濃い目に入れた茶を飲む。春のエッセンスが口腔にひろがり昔の記憶が蘇る。

IMG_4042.JPG縁故疎開先の旧増戸村で過ごした少年時代、武蔵五日市の後方に目立って高い大岳、年がら年中見ながら終戦前後の3年半。村のどの家の玄関にも、一軒の例外もなく大嶽神社の日本狼の大口眞神の御札が貼ってある。きっと随分と昔から各家庭に代々受け継がれていることなのだろう。我が家では“大口眞神”の御札を他の3枚の寺社の御札と共に玄関内の漆喰壁に貼ってある。ぐるっと参拝するのが毎朝の私の御勤め。

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増戸村国民学校一年に入学前後の記憶だが、一体誰が毎年買いに行ったのだろうか。まっと(もっと)不思議なことは、誰一人大岳に登ったという人に今まで会ったことがない。深夜風呂に浸かりながら、この謎を思いめぐらした。

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秋川の左岸の旧道に面して岩走り神社がある。この神社は上村、上宿、中宿、新宿と上伊那の部落の人たちが参詣するが、秋祭りでは伊奈上村中平の人たちだけが境内での御神楽、御はやし、そろりそろり村中を静かにめぐる神輿担ぎや社殿の神事を仕切る。伝える処によると室町時代に神主など7家族が信州伊奈から中平に移住してきた。境内の崖の上にある大本家の古びた墓石は、あたかもアモイ像の様に、御先祖の地を向いて建てられている。

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一時期、奥多摩の大岳(1266.5㍍)に年に2回ほど登った。その時はJR大嶽駅より一つ手前の沢井駅で下車、川沿いの散歩道をケーブル駅まで歩いた。

大嶽神社の神主も兼ねる十八代目の方が経営する、川合玉堂など文人墨客ゆかりの宿坊に泊る。難点は神棚などがあり、夜間は怖い雰囲気。

此処の自慢は料理。延々と昔の記憶をたどり、山楽荘についた。

御主人の説明によれば、蕗ノ薹はほうけさせて採取する。苦味が無い。

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山楽荘 御岳山

http://www1.ocn.ne.jp/~sanraku/myweb1_002.htm 


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村尾鐵男

秋川渓谷、東京都心からも近く、中学のときに一度訪ねる機会がありました。住んだことも、長期滞在も体験していないので、かすかな記憶しか残っていません。
ただ、清流と意外に高い山々、私が通っていた東中野の中学から立川乗換えで2時間くらいの距離で、東京の雑踏をこれほどに離れることができるかと感嘆した記憶が残っています。
by 村尾鐵男 (2012-03-22 08:01) 

あゆさこ

ふきのとう味噌、おいしいですよねぇ~!(*^_^*)大好きです!
by あゆさこ (2012-03-22 15:22) 

ぼくあずさ

シラネアオイさん、馬爺さん、あゆさこさん、rtfkさん、アルマさん、
nikiさん、カリメロさん
ご来訪とnice ありがとうございます。

あゆさこさん
こめんと Vielen Dank!
by ぼくあずさ (2012-03-23 22:18) 

ぼくあずさ

hanamuraさん
ご来訪と、多くのnice まことにありがとうございます。
私がお邪魔しないのに、カリメロさんがお見えになるのに
hanamura さんは如何しておられるか思案していました。
勝手な私、お許し下さい。
by ぼくあずさ (2012-03-25 21:13) 

kent

ぼくあずささん、お久しぶりです。
フキノトウの味にも、色々な想い出がお有りのようですね!
朝のウォーキングコースから眺める山々も、すっかり萌黄色に染まってきたので、そろそろ山菜採りに出掛けようと思っています。

by kent (2012-04-15 20:01) 

ぼくあずさ

kentさん
貴兄の渓流釣りと山菜採りはプロ級ですね。記事を楽しみにしています。
旧増戸村辺りは何故か山菜採りを誰もしませんでした。
by ぼくあずさ (2012-04-15 20:43) 

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