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日本の底力に紹介したい記事4-2 TPP、農業再生の条件 [明治維新胎動の地、萩]

                                            By N.Hori

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(日経、2012//10~12)     

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4.日本産のコメを台湾に輸出するリン氏は「日本のコメはもっと輸出できる」と話す。今の輸出は、高級品を中心に年間100トン。若い農家の意欲を引き出すなどで価格を引き下げれば、東南アジアや中国、米国にも輸出できるとみる。

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5.農産物の流通に独占的な権限を持ってきた農協にも陰りが見られる。一部農家は小売りや消費者などに農協よりも有利な条件で売り始めた。流通側から農家との連携を強める動きもある。

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 野菜宅配の「らでいっしゅぼーや」はリース、種苗、肥料の有力会社とそれぞれ提携した。上場企業の信用力と規模を活かして機械や資材を安く調達し、2600軒の契約農家に提供する。消費者の需要を生産者に伝えることも出来る。

 このような市場主義が農業にも普及すれば、多くの国民の、品質、価格、安心などの要望が満たされ、満たされないものは淘汰される厳しさがある。これによって、農家もやっと他の産業並みの競争と消費者の選択のもとになる。

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6.耕作放棄地が全国に広がっている。合計40万haで、農地全体の1割弱の規模だ。

本来ならば、耕作を止めた時点で、農地から、雑種地に変わり、固定資産評価額も変わらねばならないが、この判定は地元の農家らで構成する農業委員会に委ねられているので、チェックが甘い。農業委員会は農地売買にも強い権限を持ち、農地の柔軟な活用の妨げとなっている。

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 鹿児島県肝付町の農業生産法人「えこふぁーむ」は耕作放棄地の再生に取り組んでいる。農作業をやめた農家から、農地を借り、ルッコラなどの西洋野菜を生産する。9年間でようやく40haの農地や山林を集めた。

 浜松市の近郊で、農業生産法人「トップリバー」(長野県御代田町)が昨年開いた農場で、若い社員がキャベツをてきぱき収穫する。企業の手法をとり入れた農業生産法人が広域に展開し、若者の雇用の受け皿となって農業の裾野を広げる。

 外食チェーンの関連会社「吉野家ファーム神奈川」の耕作面積は1年で2倍弱の3.7haに増えた。後継者のいない農家から「耕してほしい」との依頼も出始めた。冬に放置されていた田んぼを借りて野菜を作るなどし、地元農家から理解を得た。

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 このような、他産業では当たり前のことが農業でも当たり前になれば、自由化のもとでも国際競争力も高まり、農業は成長産業になり、若者の雇用の受け皿になり、食料自給率も上がると思います。


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村尾鐵男

N.Hori さん、先日は御夫妻で台湾へ旅行され、おそらく台湾米を食べられたと推測します。
台湾で最も美味い米は「蓬莱米」と呼び、戦前の日本統治時代に日本人が植え付け、そのまま台湾に残った最上米です。
私も幾度も蓬莱米を食べ、今一つの感が残るものの、よく出来た米と感心しました。
このため、台湾の人は米の味とか食感に敏感ですが、その台湾の人々が日本産の米を絶賛します。何故か判りませんが、新潟産のコシヒカリよりも、茨城産のコシヒカリが台湾では好まれます。
又、台湾で日本米が好まれるのは、米そのものに加え、日本が発明した電機炊飯器の普及があります。東南アジアのいわゆる長粒種の米と日本米では炊き方が違うので、日本米用炊飯器と組み合わせた輸出が肝要です。
by 村尾鐵男 (2012-03-05 07:57) 

ぼくあずさ

村尾さん
電気炊飯器のくだり、興味深く拝読しました。
台湾以外の東南アジア向け炊飯器を開発する必要が
あるということになりますね。韓国が既にやっている
かも知れませんが。
by ぼくあずさ (2012-03-05 08:39) 

N.Hori

アルマさん、カリメロさん、rtfkさん、niceを有難度うございました。
村尾さん、コメントを有難度うございました。私は味音痴ですので、米のブランドの違いは分かりません。したがって、台湾米の味の違いも分かりませんでしたが、家内は、日本の米とは少し違う、寿司には合わない、と言っていました。
by N.Hori (2012-03-05 11:18) 

村尾鐵男

N. Hori さんへ
さすがは奥様の年季の入ったお言葉です。
今まであまりお話をしていませんが、私は日帰りの含めて台湾行きは400回を越えます。台湾料理にも中華料理にも辟易として、最後の頃は台北にも増えた日本寿司屋へ通いました。寿司職人は日本で修行していますが、米が違うために上手に握れず苦労していました。
台湾の寿司は、奥様御指摘の通り、握った米の部分が美味くありません。それを大きなネタで補うのですが、山葵も不味く、寿司は酔い覚まし以外には向きません。吸い物は吸い物にあらずして、スープです。
紹興酒はいくら呑んでも翌日に残らないのが良いのですが、それも呑む量によります。二日酔いを追い払うには昼食の寿司が効くのですが、台湾の米は酢との馴染みが悪いようで、握り飯を食べるようなもので、効果が今一つでした。
昨秋、池上本門寺近くでお会いして以来、奥様にはお目に掛かっておりませんが、奥様によろしく。
by 村尾鐵男 (2012-03-05 15:14) 

ぼくあずさ

村尾さん
私のよく知る方の伯父が、長年台湾で稲作の指導を
したのですが台湾の米は美味しくないのですか。

N.Horiさん
その昔、高雄から台北行きの観光特急が台中駅で
積み込んだ豚肉煮白飯弁当(大きなアルミ箱入り)
はとても美味しかった記憶があります。それ以前
にまったく同じ弁当を八達嶺に案内された時に
ご馳走になったことがあり、驚きました。
その後、食べる機会がありません。
by ぼくあずさ (2012-03-05 17:06) 

N.Hori

海を渡るさん、あゆさこさん、砂漠のラクダさん、ちゃーちゃんさん、niceを有難度うございました。
by N.Hori (2012-03-07 14:30) 

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