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中国は何処へ -2/10 [稲門機械屋倶楽部]

                        2012-02 MWE36 村尾鐵男

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宋の真宗の名言

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 日本の平安時代末期から鎌倉時代に、中国では宋王朝が栄えました。宋王朝(960-1279)は北宋、それに継ぐ南宋に分けられますが、歴史はさておき、北宋の三代皇帝真宗(在位:997-1022)が詠んだ「勤學歌(キンガクカ)」があります。

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富家不用買良田、書中自有千鐘粟。

安居不用架高堂、書中自有黄金屋。

出門莫恨無人随、書中車馬多如簇。

娶妻莫恨無良媒、書中有女顔如玉。

男児欲遂平生志、六經勤向窻前讀。

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家を富ますに良田を買うを用いず、書中自から千鐘(センショウ)の粟(ゾク)あり。(一鐘は一石四斗の量です)

居を安んずるに高堂を架するを用いず、書中自から黄金の屋あり。

門を出ずるに人の随(シタガ)う無きを恨(ウラ)む莫(ナカ)れ、書中車馬多くして簇(ムラガ)るが如し。

妻を娶(メト)るに良媒(リョウバイ)無きを恨む莫れ、書中女あり顔(カンバセ)玉の如し。

男児平生(ヘイゼイ)の志を遂んと欲せば、六經(リクケイ)勤(ツト)めて窻前(ソウゼン)に向かいて讀め。

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 この「勤學歌」は普通には勉学を推奨している歌として有名です。しかし、この当時、科挙、即ち上級公務員登用試験の全盛期であり、科挙に合格しさえすれば、世の中の富と美女を如何様にも望むままに手に入れることができるとの風潮を増長させてしまいました。

 以来、中国は極端な学歴社会となり、その儒教の教えを忠実に継承したと自負する韓国も極端な学歴社会です。

 現代中国では、儒教は廃れましたが、この科挙の悪しき伝統を受け継いで、今日でも学歴偏重が続いており、有名大学への入学には知恵の限りを絞ります。


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