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読んでがっかりしない本 -2/2 [軽井沢だより]

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Double slit experimentという、実験のことからこの量子力学の説明が始められる。電子が粒子でありながら波動性を示し回析現象を起こす。実に不思議。電子は、同時にあらゆる場所に跳ぶ、あらゆる場所に存在しうる。こんなことって、本当か、といいたくなる?

世の中不思議なことってあるんだ。

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トランジスターについて一章を割いて説明している。トランジスターは確かにニュートン力学じゃ説明できない。

これほど世界を変えた発明、発見はないからだ。インターネットの普及を見ればそれは自明だ。

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現在話題のHiggs bosonについての記述もある。この粒子が、存在することが確かなものになった場合の量子論がどういうものになるのか、書いてあるが、私の理解する範囲を超える。

電子が瞬時に,ナノ秒後に、跳んで、1cm先のところにもあり、何十光年先にもいける、となると光速を超えるものはないという理論はどうなるのか。心配することはない、超えないというのは情報のことだといわれると、狐につままれる。 .だが、不確定原理のいっている、所詮人類は自然Natureを確率的にしか把握できない、というのは重いと思う。最後の章で星の一生の最後を説明している。これは、数式がたくさん、たくさんであきらめた。

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ところでこの本のタイトルは、

Quantum universe:everything that can happen does happenだ。

実はこのeverything that can happen does happenの意味がわからない。

このタイトルで一章があり、Heisenbergの不確定原理が説明、導入されている。

この原理は、私などは、あちらを立てれば、こちらが立たずぐらいに考えていた。だが数式が出てきて電子、量子の位置とその運動量の不確定性の積が、プランク定数になるといわれても、ちんぷんかんぷんだ。この原理は量子理論の中心的な役割を演じているのだそうだが、人間の知りうる限界を示していて、宇宙、自然を確率的にしか、把握できないのだそうである。

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確率的に把握することは、決して,曖昧ということではない。

確率を使うことによって出来た理論は、実験によって確認され,予測も出来、その予測が実験で確かめられる。

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確率0は,現象が発生しない、確率1で発生している、とか存在しているという。では0と1の間の数字が出てきたら、発生しているというのか、発生していないというのか。もちろん答えは、確率0でなければ発生する、というのが答えだ。

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絶対にそういうことは起きません、というのは確率0ということになる。

これは“想定外”という言葉からずいぶん懸隔のあることである。

想定しないというのは、確率の計算を拒否することになっている。拒否するとは、どういうことか、それは,フツウの人間でもしないことだろう。

正直、はじめに言ったとうり、いくら入門書といっても、ついていくのは、きつい。

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Richard Feynmanが採用した針が一本の時計を使って説明している。Feynmanは天才であり、道化者といわれたそうだが、後に天才がはずされ、道化だけになったそうだ。もちろん冗談だろうが、道化すら、演じることすら出来ない身には、量子論は、理解できなくても、落胆しなくてよいことを確認した。

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追記:

この本の著者二人の一人Brian Coxは今イギリスで引っ張りだこらしい。

発刊は2011年の9月だが、Economist2011年の科学技術部門の最良の本の筆頭に挙げている。

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Big bang

http://www.economist.com/node/21536548 

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I Watanabe

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読んでがっかりしない本 -1/2 [軽井沢だより]

http://dorflueren.blog.so-net.ne.jp/2012-01-01-2


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村尾鐵男

I. Watanabeさんが読まれた "Quantum universe:everything that can happen does happen" に書かれているかどうか知りませんが、半世紀以上も前に私が読んだ量子に関する本には、量子は観測者が見ているときは動かないが、目を話すととんでもない場所へ移動すると書いてありました。
見ていない内に何かを仕出かす量子の動きを確率で律するのを、アインシュタインは心底嫌っていたようで、「神様はサイコロを振らない」との名言か迷言を遺しています。
ところで、アインシュタインはノーベル物理学賞を授与されていますが、かの有名な特殊相対性理論と一般相対性理論、この二つの相対性理論にノーベル賞が授けられたのではなく、その少し前に発表したブラウン運動に関する研究論文にノーベル賞が与えられています。
ノーベル賞は同一研究者に二度は与えないことになっているのかどうか、私は知りませんが、アインシュタインの相対性理論にはノーベル賞が与えられていないことが、奇妙に引っ掛かります。
by 村尾鐵男 (2012-01-02 08:22) 

niki

私はそれ以前の、量子力学で四苦八苦です^^;;;
面白いのですが、反芻して自分の中で納得することに
時間がかかっています。
by niki (2012-01-02 09:11) 

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