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水に溺れた犬を鞭打ち、犬を喰う民族 -1/4 [稲門機械屋倶楽部]

                                    2011-09 WME36 村尾鐵男

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米中友好を壊した人民解放軍 

少々旧聞に属しますが、今年の111日早朝、中国共産党の人民解放軍は次期ステルス戦闘機と喧伝される「殲(J)-20」型戦闘機の初飛行を敢行し、加えて、この事実を声高に直ちに公表しました。

 この同じ日の後刻、北京を訪問していた米国国防長官ゲーツが中国国家主席胡錦濤と会談するのですが、会談は味気ないものに終りました。

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 通常、外国政府の要人が来訪して自国の首脳と公式会談が予定されているときは、新型軍用機の飛行を含む軍事行動は差し控えるのが外交上の慣例であり、ゲーツ国防長官は困惑を隠せず、さらに驚いたことには、胡錦濤が、国家主席であり、人民解放軍を傘下に持つ中国共産党の最高位に在りながらも、「殲(J)-20」型戦闘機の初飛行を知らされていなかったことが判明したことです。

 これが何を物語っているかは自明です。政治主導の権化のような中国では、軍が中国共産党の組織の中にあって、他の大半の国家のように軍を政府の下に置くことをしていません。何故なら、毛沢東以来の「政権は銃口から生まれる」を堅く信じる中国共産党は、もしも政権を失い、軍が党の組織の外にあれば、最早、「政権を銃口で取り戻す」ことができなくなるからです。その中国共産党の最高位に在り、且つ国家主席である胡錦濤が新型戦闘機の初飛行を知らされておらず、しかも、そのまま米国国防長官との会談に臨むことになったのは、軍が独走を始めた顕著な兆候となりました。

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 中国から日本へ帰化した評論家石平氏が産経新聞(91日付)で報じていますが、818日に北京で行われた米中親善バスケットボールの試合で、中国人民解放軍のチームが米国チームへ暴行を働き、掲載されている写真では、中国選手が米国の黒人選手を引き倒して足蹴りにし、写真はありませんが、椅子までが投げつけられたそうです。

 実はこの日、米国副大統領バイデンが訪中している最中であり、胡錦濤や温家宝と会談し、次期国家主席と目される習近平副主席はバイデン副大統領に終始付き添っていた大切な時期であり、その米中友好の雰囲気を人民解放軍は壊しました。


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ぼくあずさ

村尾さん
数年前まで日高ワシントン・リポートに出てくる米軍高官たちは口々に中国軍との友好関係が大事だと述べていましたが、今は昔。日本から米空軍撤退が現実のものになり、日本人の多くが日米同盟があるから日本の国防は大丈夫という神話は過去のものになりました。
http://www.youtube.com/watch?v=_v79mbZbJkY
by ぼくあずさ (2011-09-15 10:09) 

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