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中国の無人機開発 -5/6 [稲門機械屋倶楽部]

                               2011-08-27 MWE36 村尾鐵男

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無人機の実際の運用

 読者諸氏の中にはラジコンを趣味にされている方も多かろうと思いますが、高価なラジコンを見失ってしまった経験をお持ちの方もおられましょう。

 ラジコンも無人機の一種ですが、操作と制御の電波は波長が短く直進性を持ち、且つ許されている電波の強度は極めて微弱です。ですから、ラジコンが持ち主の視界の向こう側まで飛んでしまうと、帰還命令の電波が届かなくなり、ラジコンは勝手に何処かへ飛び去ってしまいます。

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 ラジコンを大の大人がもう少し本格的に作ったのが無人機ですが、特に軍用の無人機では、敵に妨害されたり電波の撹乱を受けたりしないように工夫されており、基本的には電波で遠隔操作と制御を行う方法は採りません。

 軍用無人機では、予め飛行経路や飛行高度が決められ、その情報を機内に装着された航法装置に入力します。

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 無人機は操縦士が機内におりませんから、当然のこととして自動操縦になりますが、無人機は入力された飛行情報に従って飛び続けます。

 言い換えると、無人機は一度飛び立つと、所定の飛行経路と高度を保って飛び、外からの妨害や干渉を受けません。何も恣意的な妨害に限らず、空中に飛び交う無数の雑音電波も無人機の運用では無視できず、無人機の飛行には自立航法が欠かせません。

 その上に無人機がステルス性を備えていたら、飛行中の無人機を発見することも困難であり、飛行経路を妨害することもできません。

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 しかし、無人機は遠く離れた基地の操縦室から遠隔操作も行うことも可能であり、無人機には観察装置が搭載されているので、その映像を見ながら、操縦員が適宜操作と制御を行うことができます。

 無人機は産業用を別として、軍用に使われると極めて怖い武器です。この怖い武器に軍拡に無我夢中の中国が関心を示さぬはずはなく、たとえ中途半端な「空母ヴァリャーグ」の機能を補完するものでなくとも、周辺国への示威効果の大きい無人機の開発に中国が意を注ぐ理由が存在します。


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