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鉄道と航空の珍事 [稲門機械屋倶楽部]

                               2011-08-29 WME36 村尾鐵男

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 昨28日午後815分頃、相生と岡山の間を走行中の東京発博多行き「のぞみ53号」の48歳の運転士が、「眼鏡がない」とJR西日本東京指令所へ連絡、この列車は岡山駅の手前8kmの地点で緊急停止。岡山駅から代わりの運転士が上り列車で緊急停止現場へ向かい、45分後に交代して運転を再開した由です。

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 昭和40年(1965年)頃、私が勤務していた航空会社は北海道路線に米国コンヴェアー社の CV880型機を運航していました。

 ある日、千歳空港を羽田空港へ向けて離陸した CV880型機の機長席前の計器盤が鋭い加速と急な上昇角度のために手前へ外れてしまい、機長の膝の辺りまで落ちてしまいました。

 この CV880型機は定刻通りに無事に羽田へ戻りましたが、計器盤脱落の原因は計器盤の固定を忘れたことでした。

千歳空港での折り返し整備の最中に、計器盤の奥にある簡単な部品を交換するために、計器盤を外しました。そこまでは手順通りですが、60分の折り返し整備は多忙を極めるために、部品交換後に計器盤を元の位置に戻した後、ボルトで硬く固定する作業を忘れ、計器盤をただ差し込んだだけになってしまいました。

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 機長はE氏で、大変知名度の高い方でした。羽田到着後に、千歳の整備士に代わって羽田の整備長がE機長にお詫びを言ったところ、E機長は少しも騒がず、声も荒立てずに応えました。

「いや、最近は老眼が進んでね。計器盤が固定されていても、計器の一つ一つはぼやけてしまって見えないんでね。どうせ見えない計器だから、計器盤が何処にあっても同じですよ」

「えっ、眼鏡ですか。老眼鏡をいつも持ってはいるが、操縦士の最大の任務は周辺の空を見張ることで、これには眼鏡は要らない。直ぐ前の計器を見るために、老眼鏡を掛け、遠くの空を見張るためにその眼鏡を外す。これ、意外に面倒でね。眼鏡を掛けたり外したりで注意力が散漫になる。計器を見なくたって操縦は完全ですよ。高度と速度は地上を見れば判る。飛行方位は太陽や星の位置で判る」

この方は海軍飛行士でしたが、さすがは戦中に鍛えた操縦士でした。

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サーモラベル

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森田さん、村尾さん

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軸端の白い物体について 川重の台車設計に行って確認してきました。

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謎の物体の正体はサーモラベルでした。サーモラベルと言うのは御承知かと思いますが物の表面に貼っておくとそのものの温度が規程値以上に上昇すると色が変わって温度上昇したことを表示するものです。詳細については下記をご参照下さい。

 http://syougekikenchi.com/items/tl.html

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車軸軸受の焼付きと言うのは脱線につながる非常に危険な事象なので鉄道会社は神経を使います。特に貨車は両数が多いのと居る場所が一定しないので中々目が行き届かず過去にも何回か軸受焼けによる車軸折損が原因の脱線が起きています。

ということで一件落着として下さい。

月川善雄


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