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杜牧の詩 -5/6 [稲門機械屋倶楽部]

                                            2011-02-11 WME36 村尾鐵男

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 杜牧の詩ではありませんが、その杜牧が「泊秦淮」で引用した陳王朝の後主陳叔寶の「玉樹後庭花」を、短いので全文を掲げましょう。

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玉樹後庭花

陳後主叔寶

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麗宇芳林對高閣

新粧豔質本傾城

映戸凝嬌乍不進

出帷含態笑相迎

妖姫瞼似花含露

玉樹流光照後庭

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麗宇 芳林 高閣に對し

新粧 艶質 本より傾城

戸に映るも嬌を凝らし、乍(タチマ)ち進まず

帷を出でて態を含み、笑いて相い迎う

妖姫 瞼は花の露を含むに似たり

玉樹 光を流して後庭を照らす。

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 陳叔寶は太子のときに、後宮にいた張麗花に心を奪われてしまいました。張麗花は建康(南京)の街中で筵を編む家の娘で、十歳のときに下働きとして宮中へ現れました。

 太子叔寶は皇后を出家させ、その跡へ麗花を引き込み、それからは政治と統治を放り出し、その間に奸臣が跋扈して遂に王朝を傾けてしまいました。

 品の良い言葉ではありませんが、洋の東西を問わず、王や皇帝が常軌を逸して「女狂い」になると必ず国が滅びるようです。


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