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消化し易い、為替レートと消化し難い為替レート-1 [軽井沢だより]

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為替とは不思議なものだ。

海外に出かけて、訪問先の国の通貨に両替しただけでは、円の実力というものは、実感できない。使用しないと、その価値は分からない。タクシーに乗ったり、食事をして通貨の価値が分かるというのも、嘘だと思う。

通貨の価値が同じというのは、その通貨が、同じ購買力を持つことだ。さすれば、自国で食べたものと同じものを食べて、値段が安いか、高いか自国の通貨に換算して始めて実感できるのだ。だから、ちょっと旅行に出かけて安い高いなんていうことは、ほとんど不可能だ。

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ビッグマックインデックスという指標みたいなものがある。英紙エコノミストが定期的に発表する。

マックの値段を世界各国の値段で表示し、その国の通貨が,過小か過大評価されているか、分かるといっている。

これは、分かりやすい為替レート、消化しやすいレートと言っている。Digestibleには、分かりやすいという派生した意味があるからだと思う。

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マックハンバーグを、食べたことがない人でも、インデックスは消化できると思う。

今年7月のデータでは、たとえば、アメリカで3.73ドルのマックが、日本で320円だった。単純に320割る3.7385.71ドル85.7円というレートになる。.

実勢市場レートは1ドル87.2円だから、販売価格の320円はドルで3.67ドル。要するにアメリカ人が、ドルを持って日本に来れば、2%安くビッグマックを食べられる、と言うことになる。これは3.67/3.73イコール0.98, つまり2%市場ドルレートが、ドルが円に対して高い。円安2%。

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中国の人民元は、どうか。3.73ドルのマックが、13.2ユアン、だから13.2/3.73答えは3.54ドルとなる.。一方市場のレートは1人民元6.78ドルだから、3.54/6.78イコール0.5248%の過小評価を人民元はドルに対してされていることになる。市場レートが、こんなレートになっているのは、もちろん中国政府が人民元renminbiをドルに連動させていて、しかも人民元を大幅に安く設定しているからだ。

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これでは、アメリカは怒る。ガイトナー、バーナンキが北京に行って交渉した。少しは効果が現れたようだが、ほんの少し。この例は今年7月の数字だ。

マクドナルドは世界120カ国にあるそうだが、全部の国のマックインデックスがあるわけではない。

エコノミストは、このインデックスは素晴らしいものだが、欠点があることも認めている。だが、一商品だけで、世界の通貨の評価が出来るわけがない。

しかしながら、各地のマックはその地の物価を反映している。その意味では、一面的に、市場価格の為替レートを評価していることにならない。がまた、物価を反映しているといっても、家賃と賃金が大きく影響するから、これらが非常に安価な国の通貨の評価には、無理があるとも言っている。先進国、ユーロ、円などは、一定の評価が出来るといっている。

(2)に続く


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村尾鐵男

I. Watanabeさんのお説の通り、為替とはよく判らぬものです。
為替の「為」の文字は、中国古代の甲骨文字では「手」の下に「象」を書きました。象のような巨大な動物を意のままに手なづけるのが「為」で、それに或る価値を付けて交換するのが「替」です。
為替はやはり不思議で、理解を越えることもしばしば起きるのが当然かもしれません。
by 村尾鐵男 (2010-09-08 20:31) 

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