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北朝鮮戦闘機、中国領で墜落 -1 [稲門機械屋倶楽部]

                2010-08-21 WME36 村尾鐵男

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817日、北朝鮮空軍のMIG-21型戦闘機が中朝国境を越えて飛行し、国境から200kmほど離れた瀋陽郊外に不時着、或いは墜落して搭乗員も死亡しました

中朝協議のために北朝鮮へ赴いていた武大偉・朝鮮半島事務特別代表は帰国後の20日、北京で記者会見に臨み、「エンジンの故障による事故であり、搭乗員の脱北ではない」と語り、一方、事故現場では中国当局によって機体が分解されて搬出され、早期に北朝鮮へ返還されると読売新聞は報じています。この事故、或いは事件については、解せないことが多々残っており、それを列挙します。

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軍用小型機

新聞に掲載された事故現場と機体の写真は紛れも無くMIG-21型戦闘機のものですが、何故か報道は「小型軍用機」と称しました。何故、「戦闘機」と呼ばないのか。何か意図するものを感じます。

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エンジン故障

エンジンが故障で空中停止し、油圧や電気系統が不作動となり、そのために飛行方位を換えることが出来ずに中国領へ入ったとの理屈付けのようです。北朝鮮内の何処から飛び立ったのかが不明ですが、機首が西北方向へ向き、且つ、北朝鮮領内上空でエンジン故障が生じ、そのまま方位を制御できぬまま中国領内へ入ったことになります。不可思議な理由付けです

MIG-21型戦闘機のような飛行機の滑空率は1くらいで、大きくても2でしょう。滑空率とは飛行中にエンジンが停止した場合、動力なしでどれほどの距離を飛べるかをそのときの高度の倍数で示すものです。高度10000mで飛ぶ飛行機が動力を失って滑空し、滑空率が10であれば、100km先まで飛べることになります。

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このMIG-21型戦闘機が高度1mで飛行中にエンジンが停止したとすれば、滑空率が2とすれば、長くても20kmしか飛べません。それが瀋陽までの200kmを飛んでいます。もし、北朝鮮領空を飛行中にエンジンが停止して方位制御ができなくなったのであれば、国境を越えた20km以内の場所に着地したはずです。

MIG-21型戦闘機は北朝鮮の領空内でエンジンが停止したのではなく、瀋陽郊外の上空まで飛んでからエンジンが故障したはずです。まさに脱北飛行の最終段階でエンジンが停止したことになります

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搭乗員は1人

事件直後の報道では搭乗員の1人がパラシュートで脱出したと伝えました、しかし、その後の報道は搭乗者の人数にまったく触れていません。MIG-21型戦闘機は1人しか乗れませんが、訓練用の複座機なら二人が乗れます。

(2)に続く


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