春秋左氏伝 -3 [稲門機械屋倶楽部]
2010-05-05 MEW36 村尾鐡男
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【詩曰、靡不有初、鮮克有終】
〔詩経に曰く、初めあらざること靡(ナ)し。克(ヨ)く終わりあること鮮(スク)なし〕〈詩経の大雅篇に曰く、初めは誰でもどうにか事を運ぶが、終りまで上手く全うできる者は少ない〉.
政権を獲得するための最初の美辞麗句は誰にでも言えます。しかし、それを私如きが言えば狂人の戯言となりますが、少なからざる勢力を擁する政党が公約として言えば、世間では信ずる者が大勢いるでしょう。
民主党はこれを公約とは言わずに、マニフェストなるカタカナ語を遣いました。日本では法律は日本語で書かれ、契約書も日本語で作成されます。民主党首脳の一人が言い放ったように、法律で決めていないことは何をやっても罪は問われません。「マニフェスト」は日本語ではありませんから、勿論のこと法律でもなく、選挙民との契約でもありません。しかし、その「マニフェスト」なる似非契約が既に反故にされつつあり、これでは終りまで全うすることは望めず、途中で選挙民から民主党は嘘つき集団と見做されて見放されるでしょう。.
【尤而效之、罪叉甚焉】
〔尤(トガ)めて之に效(ナラ)うは、罪叉た甚(ハナハ)だし〕
〈他人の罪を咎めていながら、自分が同じ罪を犯すのは、甚だしい大罪である〉.
民主党が政権の座を占める以前、即ち、民主党が好んで遣う「政権交代」の前、現首相鳩山由紀夫は民主党の幹事長を務め、さらに党首小澤一郎の不祥事で其の跡を継ぎ、自民党麻生政権時、党首討論で自民党の金権体質と利益誘導政治を責め、麻生太郎の辞任を迫っていました。今、本人とその政権と党がかつて責めた自民党以上の不浄さを示していながら、それには口を閉じたままです。都合の悪いことは避けて通りたいのが人の常とは言え、あの自民党にも多少は残っていた自浄作用がまったく働かない民主党はまことに大なる罪人であります。.
【修己而不責人、則免於難】
〔己を修めて人を責めざれば、則ち難より免る〕.
私達凡人でも、自分の修養が足りないままに他人を責めれば、その責めがいつかは自分に跳ね返ってくることを知っております。
(4)に続く
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