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老子、道教の祖 -3 [稲門機械屋倶楽部]

                 2010-04-29  MEW36 村尾鐵男

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【勇於敢則殺、勇於不敢則活】

〔敢(カン)に勇なれば則(スナワ)ち殺し、不敢(フカン)に勇なれば則ち活(イ)かす〕

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何となく物騒な言葉ですが、〈勇気には敢えて行う勇気と、敢えて行わない勇気があり、何が何でも何事かを為そうとする勇気はときに人を殺し、自分をも殺す。これに対し、敢えて行うまいとする勇気は、人も自分も活かす〉との意味で、猪突猛進と石橋を叩いても渡らないこととは異なり、高度な政治の手法と考えられます。

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現下の民主党政権は、政権交代だけが目標であって、熟慮された政策を欠いているために、政権が交代したことだけを誇示するために【勇於敢則殺】の陥穽に足を取られた感があり、【勇於不敢則活】の勇気がありません。

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【不敢進寸、而退尺】

〔敢えて寸を進めずして、尺を退(シリゾ)く〕

〈一寸前身するよりは、一尺後退せよ〉

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突進することばかりに夢中になっていると敗れる。ときには後退することを考えよとの意味で、掛け声ばかりで内容に乏しい政治も同じです。

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【軽諾必寡信】

〔軽諾(ケイダク)は必ず信寡(スクナ)し〕

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【信言不美、美言不信】

〔信言は美ならず、美言は信ならず〕

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上記の二つの言葉は現代語訳も意訳も必要とはしません。何故なら、今現在、まさに民主党政権の中枢で起きていることそのものだからです。例の “Trust me” も典型的な軽諾であり、美言でもあります。しかし、二千数百年も前に、老子は〈軽諾は必ず信用されず、美言には信実がない〉と既に喝破しています。

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老子の言葉には天上の神とか神仙、即ち、修養に修養を積んで仙人となり、不老不死の境地に達するための言葉が多いのですが、その多数の言葉から、現世にも通ずる少々生臭いものだけを選びました。

(完)


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