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我が懐かしの名車と迷車(21) [稲門機械屋倶楽部]

                                                                     ・・・・・村尾鐵男 書き下ろし

19.スズキ・スイフト

平成16年早々、娘夫婦が使っていた Buick Century Wagon10年程が経ち、アメリカ車の泣き所が総て出て来て、維持費が掛って堪らないとのことで、私のオペル・アストラ・ワゴンを与えました。 

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妻に先立たれて二年、独り暮らしの私は雨の日に食べ物を買いに行くだけしかオペルを走らせる必要がなく、それ以外には犬と猫を運ぶだけです。娘は獣医師でありながら、ペットを飼えないマンションに住んでいるため、結婚に際して可愛がっていた犬一頭と猫二匹を私に残しました。この犬と猫を娘が勤務する横浜市金沢区の動物病院へ予防接種や定期的な血液検査のために連れて行くのですが、何もオペルに乗せる必要はなく、近所の親しい方の軽自動車を数時間借りれば済むことです。 

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娘夫婦にオペルを渡した後、私は50ccバイクで買物に出掛け、ときに駅まで走らせましたが、2月や3月の風を切る寒さに凍えました。やはり、何でも構わないから屋根付きがなくてはと思い直し、家から最も近いスズキの販売店へ50ccバイクで行ってスズキ・スイフトを買いました。1300cc前輪駆動、日本車の中で最も安く、軽自動車より安い小型車です。定価95万円ですが、販売店の応接机に座った途端、xx万円が値引かれ、加えてx万円分の装部品を無償で付けてくれる由。私はもう一度マニュアル・トランスミッションを味わいたいから、マニュアル・トランスミッションのスイフトが欲しいと伝えたら、納期が定まらないとのこと。それなら後日もう一度来ると言って帰宅したのですが、15分も経たずに担当営業マンが現れて、今契約してくれたらさらにxx万円を値引くとのこと。これを逃す手はないと考えて私は印鑑を捺しました。マニュアル・トランスミッション付きは今どき注文する者が極端に少ないらしく、生産ラインの最少数をまとめるために50日待ちでした。その間、驚いたことに、新車の軽自動車ラパンを無償で貸してくれました。 

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スズキは面白い会社です。経営のトップは世間に知られた鈴木修氏ですが、ある日、工場を視察していて、ロボット化された生産ラインの天井に煌々と蛍光灯が点灯されているのを発見し、「ロボットに照明が要るのか」と生産管理の責任者を叱ったと言い伝えられます。 

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35年振りのマニュアル・トランスミションは楽しいものでした。前輪駆動はエンジンを横置きにするのが常道で、マニュアル・トランスミッションもぎこちなく、Butter & Knifeの如くにはなりませんが、それでもギア・シフトとクラッチ・ミートを存分に楽しむことができました。 

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平成199月中旬の朝、私は左肩の激痛で目覚め、寝違えだろうから一日か二日で自然に治ると思いました。でも三日が経ってもなおらず、病院へ行こうと決意して車庫へ入り、スズキ・スイフトのエンジンを掛けました。でも、左肩の痛みがますます激しく、シフト・レバーを動かすことができません。右腕を伸ばしてロー・ギアには入れましたが、病院までの10kmをロー・ギアだけではとても走れません。諦めてエンジンを止め、歩いて行ける近くの病院へ向かいました。                                                                                                     ・・・ 2009525日記

(22)に続く


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