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我が懐かしの名車と迷車(22) [稲門機械屋倶楽部]

                                                                     ・・・・・村尾鐵男 書き下ろし

番外:買い損なった名車と迷車

ルノー16TS昭和50年代半ば、三井物産がフランスのルノーを輸入しており、確か日英自動車が販売していました。親しかった三井物産・航空機部の友人に勧められて芝浦の販売店まで行って見つけたのがルノー16TSでした。左右のホイールベースが異なる設計で、日本にはありませんが、住宅地内の道路で徐行を強いるために設けられた道路の突起を越えるときに、左右のホイールベースが異なれば、車体が大きく突き上げられることがないとの発想でした。さらに、エンジンルーム内の冷却水リザーバーは梅酒を作るときに使うような大きなガラス瓶であって、これを革のベルトで固定していました。この特異な発想が気に入り、帰宅して預金通帳を確かめて買う気になったのですが、翌日になって最後の1台だと聞かされて断念しました。今でも忘れられないルノー16TSです。 

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Citroen 4CV

出張先のジャカルタで、レストランの庭先に放置してあり、20万円で売るとのこと。あのジャン・ギャバンの映画に度々登場するシトロエンです。長いボンネットに大きく弧を描くフェンダー、しかも前輪駆動の先駆けでもあります。値切ったら10万円まで下がりましたが、日本までの輸送費と登録するための整備費は膨大なもので、貧乏サラリーマンとしては断念せざるを得ず、惜しいシトロエン4CVとなりました。 

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PUCH四輪駆動軍用車

これもインドネシア陸軍が使っていたもので、欲しければ持って行けと言われました。日本では知られていませんが、オーストリアのPUCH(プフ)が製造したジープのような軍用車で、パラシュートで空中から投下しても、着地時に弾んでも転倒しない工夫がありました。

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Porscheを世に出したフェルディナンド・ポルシェと同時代に、不思議なことに日本では殆ど知られていないのですが、オーストリアにハンス・レドヴィンカがおり、四輪駆動、或いは全輪駆動のシステムを完成させましたが、それがPUCHです。私はドイツとオーストリアの事情に疎いのですが、自動車製造とは縁遠いと思われているオーストリアにシュタイヤー・ダイムラー・プフとかハフ・リンガーと呼ばれる優れた技術力を持つ自動車関連会社があり、ドイツのみならず、各国に、特に軍用車の全輪駆動システムを供給していると聞きます。 

.さて、インドネシアで発見したPUCHのジープですが、ジャカルタ南効にあるハリム空軍基地内の倉庫まで見に行きました。PUCHはトカゲとゴキブリの巣と化しており、トカゲはまだ愛嬌がありますが、インドネシアのゴキブリは小雀ほどの大きさがあります。横浜港まで運んでも、通関の前に検疫で焼却処分を命ぜられること必定で、これも残念ながら断念しました。                                                                                                       ・・・ 2009526日記

(23)に続く


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