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我が懐かしの名車と迷車へのComments(24) [稲門機械屋倶楽部]

ぼくあずささんと今井さんへ   ・・・ 6/14 12:45 村尾

エンジンとタービンの潤滑油

ピストン・エンジンとガス・タービンでは使われる潤滑油がまったく違うのですが、いずれの場合もエンジンを製造する側と潤滑油を製造する側との長い抗争が続いております。 

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先ず、私は黒変を経験しておりませんが、顔料に含まれる硫黄云々は急場の言い逃れとしか思えません。 

.ピストン・エンジン時代は燃料と共に燃えてしまう潤滑油の量が多かったので、潤滑油そのもの質が問われることはあまりありませんでした。航空用エンジンは巡航状態で最適になる設計でしたから、地上ではピストンとシリンダー壁の間には驚くほどの隙間があり、潤滑油はクランクケースから燃焼室内に多量に流れ込んでいました。

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ガス・タービンになって事情は一変し、燃料と共に燃えることは理論的には皆無となり、潤滑油製造側には厳しい条件となりました。 

.泡立ちは悩みの種でした。泡のためにオイルタンクが飛行中に爆発したことも幾度かあり、高空では気圧が低いために、潤滑油は一瞬にして大気中に霧散してしまい、専門外で詳しくは知りませんが、その対策として開発されたのが合成オイルと称するもので、11万円もする高価な潤滑油でしたが、これで泡立ちは解消されました。

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でも、蒸気タービンはオイル屋には過酷な条件でしょう。何しろ、潤滑油が僅かとは言え、燃料と一緒に燃えるという逃げ口上が使えないのですから。 

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航空用エンジンは、ピストン・エンジンもガス・タービンも。潤滑油は100PSIの圧力でエンジン内を巡っていますが、軍用では高くても50PSI,、低いのでは20PSIの場合もあります。これはエンジンが被弾したときに、潤滑油を少しでも長くエンジン内に留めておくための策です。叉、軍用エンジンでは背面飛行のときにもエンジン内に万遍なく潤滑油が行き渡る工夫が随所に設けてあります。 

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潤滑油は何も石油会社が作る必然性は必ずしもないのですが、35年ほど前、某大手食品メーカが開発した潤滑油を試供品としてもらったことがありました。試験台のエンジンで使ってみましたが、5分でオーバーヒートしてしまいました。

(25)に続く 

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我が懐かしの名車と迷車へのComments(22) [稲門機械屋倶楽部]

http://dorflueren.blog.so-net.ne.jp/2009-06-20-1


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