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我が懐かしの名車と迷車へのComments(22) [稲門機械屋倶楽部]

村尾さん

ブルーバードで日々、東名を犬山まで往復750㌔には驚きました。

試供された黒いオイル、思わず20歳代の頃の痛快な出来事が想い浮びました。 

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某製紙工場に納入したタービンのメタルが黒変するトラブルが起きました。私どもが天皇とお呼びしていた動力部長さんの面前で、某大手石油会社の技師長殿と私が対決しました。私に同行した検査課長のWさんから、どうなんだと答われ、理由は言わず負けないと事前に伝えていました。なお、私は、このタービンの設計担当ではありませんでした。 

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技師長殿は分厚い事故原因報告書を元に説明を始め、「タービンオイルに・・ppmの硫黄が含まれている。メタル黒変の原因はタービンメタルに塗られた顔料だ」と語気を強めて断言しました。 

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まるでベニスの商人の法廷さながら;アントニオは声を低め、ハッキリした口調で反論しました。「硫黄が原因であることは分りました。塗料から溶出した硫黄は何㌔になりますか?」

動力部長さんは 暫し技師長殿の顔を見てから、ひと言「ワカッタ」と仰いました。 

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実は、この喜劇には伏線がありました。

その前年に欧州系技術による本邦初175KW蒸気タービンをSiemensが東電川崎5号機として納入しました。据付と試験の指導員はドイツから派遣されました。私は役に立たないドイツ語通訳?と性能試験補助として3ヶ月間、彼等と一緒に現場で働きました。とても良い勉強になりました。 

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試運転開始早々オイルタンクから泡がこぼれ出るトラブルが起きました。試験係長のNさん(東大機械卒)と私は、日に2回オイルを採取し、現場でオイル中の空気含有率のデータをとりました。ある日、泡はなくなりましたが、顕著に空気含有率が増加しました。大量のインヒビターの投入を疑いました。

このデータを元に、Siemensはオイル交換を東電さんに申し入れました。 

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その後、Shellの方から、インドネシア原油から生産した潤滑オイルは性能がよいとの説明を受けました。確かにトラブルフリーでした。石油会社は皆、社の顧客であり、営業からの要請により、紙面審査でほぼ総ての銘柄を推奨リストに記載することになりました。

技術的なことは私には分りません。村尾さんの解説を賜りたいと思います。

ぼくあずさ 2009/06/14

(23)に続く 

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我が懐かしの名車と迷車(17)14.日産・ブルーバード U12型〔稲門機械屋倶楽部〕  http://dorflueren.blog.so-net.ne.jp/2009-06-14-1


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