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我が愛すべきぼろ車達(6) [安曇野だより]

                                                                       ・・・・・下山成人 書き下ろしその後は順調に進んだが浜松近辺は国道1号と雖も、未だ舗装されておらず砂利道を、砂煙を立てて進んだ。夕刻には京都に入った。いい宿が見つからない。そろそろ宿を見つけないと今夜は寝られないかもしれない。自宅の親父に電話すると大阪まで行けるなら知っている料亭の女将に電話しておいてやると言われたので大阪まで頑張って走ることにした。 

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大阪の料亭に着いたのは夜の11時をまわっていた。女将は三人分の布団をひいてくれていた。それに三人分のうな重弁当を用意してくれていた。とても美味かった。その夜は床についても未だドライブ中のように天井が揺れていた。翌日は神戸から有料道路で六甲山に登り有馬温泉に立ち寄り宝塚を通って岐阜まで走った。 青春の良き思い出である。 

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この我が愛すべきダットサンはアメリカ留学が決まってから親戚の知り合いの早稲田の後輩が5万円で引き取って行った。その金が横浜からシアトルまでの船賃の一部となったのは言うまでもない。

(7)に続く


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