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アメリカの旱魃と中国の豚 [稲門機械屋倶楽部]

                             WME36 村尾鐵男


アメリカ中西部の穀倉地帯で未曾有の旱魃が続いて大豆の収穫量が大きく減っており、世界の大豆価格が40%ほども値上がりしていると報道されています。
それでも、大豆の価格に上下変動があるのですが、穀物市場に通じた者が、その価格変動が中国の大豆輸入量に敏感に連動していることを発見しました。

さて、読者の皆さんにクイズ一問です。中国に豚は何頭いるでしょうか。野生の豚ではなく、養豚の数です。
今年の四月の数字は6億9000万頭で、世界の養豚数のほぼ50%です。日本は1000万頭ほどです。

この豚の餌として大豆が必要で、大豆を加工した大豆ミールが豚の欠かせない蛋白源で、その大豆を中国はアメリカから輸入しています。
私が知る限り、中国人は食肉の内で豚肉を最も好みます。祝い事の度に、大きな円卓の中央に子豚の丸焼きが置かれるのが常です。私が高校生の頃は東京の牛込に住んでいましたが、向いがポーランド大使館でした。ポーランド人も豚肉が大好きで、近くの肉屋の夫婦が「ポーランド様様」と喜んでいました。しかし、中国とポーランドでは人口が二桁は違うでしょう。

中国産豚肉は日本へも輸出されているのですが、大半は国内消費です。中国は主食の米と麦は自国産で賄っていますが、大豆は環境破壊と自然破壊で自国産の収穫量が大きく減少していると報道されており、アメリカからの輸入に頼っています。
これからの季節、10月に予定される全国人民大会を始め、建国記念日や祝い事の続く中国で豚肉の値上がりは必死です。でも豚肉値上がりで、あの粗暴なデモが再び起きることはないでしょう。


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