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JALの復活とANAの不満 –1/2 [稲門機械屋倶楽部]

                                                  WME36 村尾鐵男


数日前、経理破綻したJALが株式を再上場して完全に復活し、これに対して、ANAは「法の保護を受けたJALとの競争は不公平」だと不満を高め、国交省もJALへの規制を考え始めました。ANAの不満は何でしょうか。今一つ明らかにならず、ANAも多くを語りません。報道もANAの不満を伝えながら、今一つ歯切れの悪さが残ります。

かつて国鉄は政治家の画策で走らせた赤字路線の重たい負担で破綻し、現在のJRに分割再生しました。政治家は票田を確保するために、国が管理する国鉄に地元選挙区への線路敷設を強要しました。運輸大臣に就任して最初の仕事が「俺が町への急行停車」であった大物国会議員がいたほどです。

国鉄も今はなく、時代も空の時代になり、しかも大蔵省も手が出せない「空港整備特別会計」の潤沢な資金で、一県一空港の建設が始り、空港が完成すると、次は東京や大阪との直行便の就航を目指して、地元選出の与野党国会議員が手を結び、運輸省と航空会社へ波状攻撃を掛けるのが常態でした。

その最大の被害者が日本エアシステム(JAS)でしたが、そのJASを抱え込んでしまったのがJALです。運輸省は空港建設を決めるときの計画書に年間50万人の乗客が見込まれると書かれていても、実際は10万人ほどの空港も多数あり、定期便を飛ばせば必ず大きな赤字となる必然性がありました。
搭乗率なる用語があり、概ね搭乗率65%が損益分岐点となります。65%を越えた乗客の運賃収入がそっくり利益となり、65%に足りない乗客数に運賃を乗じた金額がそっくり損失となる搭乗率の仕組みです。


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