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政治家と科学者と民衆 –2/3 [稲門機械屋倶楽部]

                          2012-9 WME36 村尾鐵男


ヒットラーが典型的な実例です。英国を屈服させようと原爆をアメリカより先に開発するために、世界最優秀の一流核物理学者を集めましたが、科学者である核物理学者は核理論や原子核と中性子の分裂反応は知っていても、技術者ではないために、爆弾の製造方法を知りませんでした。

民主党政権の首脳は、幸いなるかな、ヒットラーやスターリンや毛沢東ほどの度胸は持ち合わせていません。しかし、野望だけは一人前のようで、ときおり首を傾げる挙動を示します
一方、日本では科学者はいわゆる純粋科学と応用科学の狭間で煩悶するほどに苦労はしていないようです。70年ほど前、米ソ独で原爆の開発が始った頃、科学者は政府に協力するか否か、大いに悩み、ある者は原爆開発を拒否して流刑に処せられ、ある者は積極的に協力してその名を残しました。技術者は工場で黙々と働きました。
国民はどのように振舞ったのでしょうか。敵方に原爆開発の情報が漏れぬように政府は情報を厳しく管理しましたが、同時に国民には知らされないことにもなりました。
米国では最初の原爆が広島と長崎に投下されるまで、国民はその存在を知らなかったでしょう。ドイツ国民もヒットラーが原爆開発に失敗したことを知らなかったでしょう。ソ連ではウラン鉱採掘現場へ収容所から動員された多数の政治犯も原爆開発のために強制的にウランを掘らされているとは知らなかったでしょう。

日本では原爆を投下した米国よりも、原爆そのものを恨む感情の方が強く、それは一部の学者や政治家が唱える日本の暗黒時代、軍に政治が壟断されたと思い込む時代に終止符を打ってくれたのが米国であるとの皮肉に論理的に打ち勝てないからで、その原爆の延長線上に原発を置き、原爆と原発を一線に並べて、双方共に悪であると断じています。ここには一部の政治家と一部の科学者が結託する奇妙な関係もあります。


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