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創作短編(51):伊藤博文を撃ったのは誰か –2/10 [稲門機械屋倶楽部]

                              2012-9 WME36 梅邑貫


安重根は伊藤博文を狙撃したときは三十歳で、日本人の常識に照らせばテロリストですが、韓国では今も英雄として扱われています。
安重根は伊藤博文暗殺の理由として、次の十五ヶ条を掲げました。要約して記しますが、( )内は私の補足です。

1.1867年(慶応三年)、明治天皇の父帝を弑殺した。
2.1894年(明治二十七年)、兵を韓国皇宮へ乱入させ、韓国王室の皇后を
  弑殺した。
3.1905年(明治三十八年)、韓国王室へ兵を送って王を脅迫し、五条約(第

    二次日韓条約)を認めさせた。
4.1907年(明治四十年)、同じく王を抜刀脅迫して七条約(第三次日韓条約)
     を認めさせ、王位を廃した。
5.韓国の山林、鉱山、農漁業、工業、鉄道を収奪した。
6.第一銀行券を強制流通させ、韓国経済を壊滅させた。
7.国債一千三百万元を強制的に韓国に引き受けさせた。
8.韓国内学校の書籍を押収焚書し、内外新聞の購読を禁じた。
9.韓国の主権回復を志す者と家族を捕らえて殺戮し、その数は十余万に及ぶ。
10.韓国青年の外国遊学を禁じた。
11.韓国政府高官のいわゆる五賊、七賊を一進会と統合し、韓国人に日本に
   よる保護を望むと言わしめた。
12.1909年(明治四十二年)、五条約(韓国司法及び監獄事務委託に関わ
   る覚書)を強制して認めさせた。
13、韓国三千里の国土を日本の属邦の如く称した。
14.1905年(明治三十八年)以来、韓国に安寧の日はなく、二千万生霊の
   哭声は止まず、今も殺戮は続く。にもかかわらず、伊藤博文のみは韓国
   が泰平であると天皇に奏上して欺いている。
15.これにより東洋の平和は失われ、幾億人がまさに滅亡を免れ得ない。


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梅邑貫

紙幅を減ずるために書いておりませんが、コメントで補足させていただきます。
①の父帝とは孝明天皇で、紫斑性痘瘡(天然痘)で崩御されたと公式には認められ、一方で毒殺説も流布されていますが、確証はなく、又、少なくとも伊藤博文には当時でも嫌疑は掛っておらず。伊藤博文は孝明天皇の崩御とは無関係です。
⑪の一進会とは韓国の政治結社で、韓国皇室の内部抗争に嫌気を抱く者達、即ち開明派の集まりで、京義鉄道の建設にも日本からの資金を得て数万人の労働力を提供しています。韓国統監府とは親密な関係にあり、日本の後押しによって韓国の近代化を目指しました。
安重根はこの一進会も敵視しているようで、要するに彼は旧態温存派であったと推測されます。

by 梅邑貫 (2012-09-04 09:29) 

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