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中国共産党政権の近未来 –4/6 [稲門機械屋倶楽部]

                           2012-7 WME36 村尾鐵男


レアアース対日禁輸のその後


沖縄尖閣諸島沖で中国漁船が海上保安庁の巡視船に体当たりし、漁船の船長が拿捕されたとき、その報復の意味も込めて、中国は日本へのレアアース輸出を大幅に制限しましたが、これは中国政府が激情に駆られて犯した大失敗でした。

何故なら、日本はレアアースをオーストラリア、南米、カナダ等から買っていましたが、モンゴルに近い一帯にレアアースが埋蔵されていると知った中国が、日本に近い地の利を活かし、加えての得意技のダンピングで遂に日本市場を独占してしまったからです。中国のレアアース占有率は高く見積もっても30%ですから、日本は再び元の供給国から買えば必要量を満たすことができます。しかも、日本企業は一年以上の消費量に相当する在庫を確保していますから、その間に消費量を減らす研究も進み、さらに代替品の開発も進みました。ただ、元の供給国から買うと若干のコスト高は避けられません。

しかし、もっと困ったのは中国です。中国は先進諸国、特に日本から機能部品、これを経済用語で資本材と呼びますが、これを輸入して労務費の安い自国の工場で最終製品に組み込み、これを消費材として輸出しています。日本がレアアースを使って開発製造する高度な資本材が当然ですが値上がりし、従来のように必要量を直ぐには中国へ供給してくれないとなれば、中国の輸出に甚大な影響が及びます。



国民の目を外へ逸らす


例によって中国では諸々の難問を隠すために、国民の目を外へ逸らす常套手段を使い始めました。
いつまでも改善しない極端な貧富格差、党と官僚からいつまでも払拭できない腐敗と賄賂の慣行、置き去りになった農民達の鬱積した不満、じりじりと包囲され始めた中国の対外拡張政策、その他、諸々の難問を覆い隠し、中国共産党の権威を護るために、中国政府は国民の目を外に逸らさざるを得ないのですが、その標的がまたもや日本で、それも尖閣諸島です。


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