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CBTC(無線列車制御) -3/3 [和田の泊りより]


21世紀に入り伝送技術の発達のお陰で出てきたのがCBTCでその名前の通りCommunication-based Train Control で地上と車上間を双方向通信で結び列車を安全に制御するシステムです。
通信の手段や方式は決まったものはありませんが、地上局と車上アンテナとの間でデジタル伝送を行うことにより列車の位置確認、先行列車との距離の確認、これに基づくブレーキ制御等の情報の授受を行うことにより列車の保安ならびに運転制御を行うもので、上述の固定された閉塞区間の代わりに自由度の高い列車間隔を設定できるので列車密度を上げることが可能となり、輸送能力を上げることが出来ます。


先行列車との距離が近づいたり速度制限が必要になるとその情報が車両に送られ、車上では先行列車の後方に仮想停止目標を設定したブレーキパターン (日本語ではPattern と呼んでいるのですが英語ではProfileです。丁度飛行場で着陸機に対しGlide Slope を照射しているような感じでこれから逸脱すれば自動的に速度が調整される)を発生させ若し列車速度がその速度を上回っていればブレーキを掛けて速度を落とすと言う制御が行われます。
勿論、安全だけではなく、上記の路側設備も大がかりなものが不要となるので費用も節減出来るメリットもあります。

現状では欧米では実用化に近いものがかなり作られており、世界各国の地下鉄にも導入されていますが未だ全面的に採用と言うところまでは行っていないように思います。(最近の技術の進歩は速いので、こちらの頭が追い付いていないかもしれませんが) そしてリスクとしては通信伝送によっていますので、通信の遮断(何れかの列車との)、或いはサイバーアタックなどがあればダウンしてしまいます。勿論多重系のバックアップシステムは当然採られている筈ですが。


以上かなり端折って書いたので判り難いかとも思いますが一番原理的な事だけを書いてみました。
                      月川@神戸


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村尾鐵男

CBTC、よく理解できました。
大掛かりな地上固定設備が殆ど不要のようですが、日本のように既に大規模鉄道網が完成している場合は、CBTCへの切り替えにもかなりのコストが必要で、容易には進まないと予想されます。
とは言え、新橋から湾岸埋立地へ走る・・・名が思い出せないのですが・・・モノレールは運転手が乗っておらず、既にCBTC化されているのでしょう。
by 村尾鐵男 (2012-07-20 07:46) 

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