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ロシア首相メドベージェフの強硬姿勢 [稲門機械屋倶楽部]

                        2012-7-05 WME36 村尾鐵男


一昨日の7月3日、ロシア首相メドベージェフは一昨年の11月に次いで二度目の国後島訪問を行い、我が国の領土である北方四島はロシア領であると強硬に主張しています。新聞等の報道関係は大統領プーチンとの硬軟役割分担で民主党外交を揺さ振っていると論評しています。

少しばかり別の方向へ視線を転じてみましょう。ロシア海軍の主力艦隊は、よく知られているように、ムルマンスクを基地とする北方艦隊、カリーニングラードのバルト艦隊、セヴァストポリの黒海艦隊、ウラディオストックの太平洋艦隊、アストラハンのカスピ小艦隊で構成されます。

この内、ウラディオストックの太平洋艦隊が問題を抱えます。ロシア太平洋艦隊が太平洋へ出るためには、北から、宗谷海峡、津軽海峡、対馬海峡の三ヶ所しかありません。津軽海峡は国際航路で、平時はロシア海軍の艦艇でも無害航行が認められますが、戦時状態になれば海上自衛隊によって封鎖されます。

宗谷海峡は自由に航行できても、太平洋側へ出るには如何にも遠回りです。対馬海峡は自由航行が可能ですが、その先に日本領の南西諸島が連なり、戦時には南西諸島の間隙を縫うのはかなり危険です。その上に、尖閣諸島近辺に中国艦艇の遊弋が増えて
ウラディオストックの太平洋艦隊は今ほど自由に太平洋へ出ることができません。 この隘路を突破するのは、日本の北方四島を、今でもロシアが実効支配していますから、これをさらに確かにして、北方四島の何処かに軍港を設けたいと考えても不思議ではありません。

これも拡大顕著な中国海軍に北方への拡大を許さぬためです。しかし、尖閣諸島が明らかに日本の領土であるとなれば、事情は変わります。日本との友好関係を深めて、たとえ北方四島を返還しても、津軽海峡を通り南西諸島の間を抜けることができるからです。メドベージェフは日本政府にしっかりしろと言外に迫り、石原都知事を応援しています。 (了)


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N.Hori

私も、石原知事の尖閣諸島寄付金に、ささやかな寄付をしました。
by N.Hori (2012-07-06 08:25) 

村尾鐵男

N. Hori さんへ
ささやかと言えども御立派です。
私は未だ尖閣基金に寄付していません。
尖閣諸島を東京都が所有し、それを国が買い取るにしても、陸上自衛隊が常駐するようになれば寄付を考えます。
by 村尾鐵男 (2012-07-06 10:43) 

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