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そろそろ落ち着いて数字を見ましょう。 –2/2 [稲門機械屋倶楽部]

                        2012-6-29 WME36 村尾鐵男


ドイツがソーラーパネルに投じた金額は新聞等の情報で860億ドル(約68,800億円)と推測されます。
一方、地震と津波で損壊した福島第1原子力発電所を再建するとすれば、私の大胆、且つ大雑把な推測ですが、25千億円ほどでしょうか。太陽光発電は、原子力発電所の2.75倍の建設費を投じても、半分の発電能力しか得られません。

昨年の525日、フランスのドーヴィルで開催されたG8サミットで、当時の首相菅直人は「日本の電力の20%を再生可能エネルギーに変換したい」と述べました。しかし、国内では原子力発電を総て再生可能エネルギーによる発電に代えたいと主張し、原子力発電による電力は全電力の30%を占めます。


日本の総発電量は年間1兆kWhほどですが、その30%に相当する電力は3,000億kWhで、これを太陽光発電だけで置き換えると、その発電効率をドイツより高い15%として、3,000億kWh ÷ 365日 ÷ 24時間 ÷ 0.15 = 34,000万kWの発電量を要します。

ソーラーパネルの価格は、平均的に55万円/kWh ですから、34,000万kWの発電量を確保するには187兆円が必要です。
又、計算は省きますが、日本の国土面積の10%ほどにソーラーパネルを敷き詰めなくてはなりません。ソーラーパネルの下は陰になって、樹木も野菜も育たないことに留意して下さい。又、太陽光で得た電力はこれを安定化するのですが、そのコストは私の不得意分野なので省かせていただきます。

仮に、福島第1原子力発電所を再建するとして、先ほどの再建コスト25千億円と同額の対地震・対津波のための工事を行っても、年間309kWhの発電量がありますから、1kWh当りの地震・津波対策費は8円であり、耐久年数の40年に均等分割すれば僅かに20/kWhに過ぎません。

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ぼくあずさ

発電で重要なことは①安定電源 ②安い発電原価 ④ 安い設備費
⑤ 使用する面積が小さい ⑥ 短い投資回収年数 などです。
ソーラー発電は何れの条件も満たしません。ドイツではパネルメーカが
安い中国製の流入で破産した。という理由を付けて撤退しました。
米国では優遇が切れました。その後は砂漠でのソーラーも撤退です。
日本でもメガソーラーが増加すれば、電気料金は上がります。今の日本に
そんな無駄使いは許されないことです。家庭用のソーラーも高い電気代で
買い上げることにしても元はとれません。環境に優しいということも嘘だそうです。オイルショック当時に、排熱回収バイナリー発電50KWの開発を通じて、東電の発電が如何に優れているか痛感しました。
by ぼくあずさ (2012-07-01 03:38) 

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