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航空自衛隊は、何故、F-22 を買えなかったのか -2/7 [稲門機械屋倶楽部]

                                 2012-05 WME36 村尾鐵男

高度軍事機密の漏洩防止(理由の二)


F-22
型戦闘機は、ロシア製新鋭戦闘機も中国製新鋭戦闘機もまったく寄せ付けない最強の戦闘機です。言い換えれば、アメリカが持つ最新の戦闘機製造技術によって開発され、製造されたものです。


少々古い話で1997年のことですが、米国ウィスコンシン州選出の下院議員デーヴィッド・オービー(David Obey)が下院軍事委員会で「輸出禁止条項修正案(Obey Amendment)」を提案して可決され、議会の本会議でも可決されました。この修正条項は高度な軍事機密が輸出されることを防ぐための法改正でした。これを「オービー修正条項」と呼びます。


日本の航空自衛隊がF-22型戦闘機を強く望んでいることはアメリカ政府もよく知っており、航空自衛隊の側からも非公式に幾度もF-22戦闘機を装備したいと伝えていました。

しかし、日本の近くにある何処かの国と違って、アメリカは法治国家ですから、議会で可決された「オービー修正条項」を無視することができません。

お断りしておかなくてはなりませんが、「オ-ビー修正条項」は歳出法を修正したものと聞いておりますが、歳出法を修正して高度軍事機密の輸出が防げるのか、私には知識不足で判りません。


ですから、アメリカ政府や国防総省は、航空自衛隊のF-22戦闘機への期待感に対して、「オービー修正条項」がF-22戦闘機には適用されると、これも幾度も日本政府と航空自衛隊へF-22戦闘機は諦めろと非公式に伝え続けていました。


この状況を打開すべく、日本でも名の知られた日系議員で上院民主党の長老であるダニエル・イノウエ氏(Daniel Ken “Dan” Inoue)が「オービー修正条項」の修正を試みる動きを示しました。

しかし、アメリカ議会にも諸々の事情があったようで、ダニエル・イノウエ議員の試みは中断しました。


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