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薄煕来(ポー・シーライ)の脱落 -4/4 [稲門機械屋倶楽部]

                               2012-04 WME36 村尾鐵男



ニール・ヘイウッドの不審死

 薄煕来夫人谷開来は英国人ニール・ヘイウッドと事業提携していたのですが、最近は利益の配分を巡って争いになっていたと言われ、そのニール・ヘイウッドが、昨年1115日、急死したのですが、その死因に不審が持たれ、谷開来による毒殺が王立軍によって証言されました。一方で、毒殺説が作り話だとしても、薄煕来の私的な使用人が殺害したとの説もあり、公安(警察)当局はいずれにせよ谷開来による関与を密かに調べていました。

 ニール・ヘイウッドは重慶滞在中に死亡したのですが、310日の新華社電によれば、再捜査の結果と王立軍の証言により他殺であったと断定しました。


中央委員の解任

 同じく310日の新華社電によれば、薄煕来は中国共産党の中央委員も解任されました。中央委員とは日本の国会議員に相当するのですが、薄煕来に残るのは党員資格だけになります。今や8千万人にもなる共産党員の資格だけでは丸裸同然であり、胡錦濤政権は薄煕来の地位と権威を剥奪し、夫人の谷開来と共に葬り、さらに同じ太子党の習近平に焦点を絞っていると推測されます。


保八政策の行方

「保八」とは、経済成長率を8%に保つことであり、中国経済は驚異的に伸び、さらにGDP伸張の半分が不動産投資とそのための通貨発行の大幅増によって支えられていました。ところが、ここで甘い露を吸い続けたのが地位と特権を駆使した太子党であり、特に公有財である土地の転用権を握っていた地方省長や市長は大衆の怨嗟の的ともなっていました。胡錦濤の出身母体である共産主義青年同盟は、太子党に較べれば、貧窮に堪えて真面目に修練を積んだ者達ですが、首相の温家宝が声を枯らして叫ぶように、太子党が政権を握れば中国の没落は避けられないでしょう。


  
今年の秋、中国共産党の全国大会で胡錦濤と温家宝は退きますが、その後は、円満に習近平になるのか、注目されるところです。


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