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中国は何処へ -10/10 [稲門機械屋倶楽部]

                                   2012-02 WME36 村尾鐵男

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一治一乱

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 古来から中国では、一つの治世が終わるときに、必ず乱が起きます。最近の例でも、清国に代わって中華民国となったとき、中華民国から中華人民共和国となったとき、乱どころでない内戦が起きています。

 ここで思い起こすのは中国人の「私」です。この「私」は一先ずは宗族を意味するのですが、その宗族の中でも、利害が対立したときは、殺し合いも辞さない血で血を洗う争いに発展します。中国の王朝史を振り返ると、その実例は多々あり、王権を簒奪し守るためには親も殺し、子も殺しています。

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 孔子が論語で説く教義は、それが守られないから幾度も説いているのであり、ましてや宗教も論語も棄ててしまった現在の中国は殺伐とした状況にあり、私達日本人は「中国は論語の祖国であり、美徳に満ちた国」と錯覚してはなりません。

 この「私」が異状に強い中国人は、それ故に絶対に謝らないことでもよく知られており、さらに一度手にしたものは絶対に手放しません。

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 「アメリカは中国の領土だ。大昔にアメリカ大陸を発見したのは中国人だが、それをコロンブスに横取りされた」と、中国人は真面目に本気で主張します。ましてやチベット、ウイグル、南部モンゴルを手放すはずがありません。

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 しかし、その中国人も、勿論、今の共産主義体制下で育ち教育を受けた者も含めてですが、「一治一乱」をよく知っており、前節で述べたように、政権交代の方法を欠いたままの中国では、当然のこととして、「一治一乱」を避けることができません。では、次の「一治一乱」は何時起きるのか。誰にも予測できませんが、「馬上治天下」の政権は長年の間に満身創痍となり、国民の不満や恨みも高まることはあっても、鎮まることはないでしょう。

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 黄文雄著「中国と中国人は、この五文字で理解できる」(WAC書房)を部分的に参考にしました。                                                   (了)


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