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中国は何処へ -8/10 [稲門機械屋倶楽部]

                                  2012-02 WME36 村尾鐵男

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無奸不成商と両桿子

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 「無奸不成商」とは、「奸計無くして商売は成り立たず」との意味で、中国の商人道はおよそ日本の商人道とは異なります。

 中国にも古くから士農工商の序列があるのですが、その「士」は文人、即ち「文士」であり、やがて「官」となりました。その「官」が主導したか、「商」が擦り寄ったかは判りませんが、官と商が結び着いて「一官二商三匪四盗」の上位を占めて今日に至っています。

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 「桿子(カンシ)」とは実力者のことで、これが両桿子と呼ばれるように二つあります。一つは「槍桿子」と呼ばれて軍を意味します。もう一つは「筆桿子」で報道界のことです。

 現在の中国共産党政権は、この「両桿子」、即ち共産党の下に抱え込んだ人民解放軍と厳しく規制の網を掛けた新聞やテレビによって護られており、それ故に人権を抑圧し、権銭弁証法を声高に叫び、高級幹部が国富を簒奪して私物化することが可能になっています。

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 さて、冒頭の「無奸不成商」へ戻ります。「商」は残念ながら金は持っていても裸一貫で武力がありませんから、窮地に追い込まれたときに武力で突破することができません。

 そこで奸計を練って、「官」が持つ武力を期待してその懐に跳び込みました。人民解放軍が中国共産党の軍隊であって、国軍ではないのが幸いしました。人民解放軍は共産党の組織の一部であって、文人、即ち「官」の指導・指揮・管理の下にあります。

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多額の報酬が期待できる「官」は「両桿子」を自在に利用して「商」を保護してやりますから、毒入り餃子を日本へ輸出し、それが発覚して窮地に追い込まれた冷凍餃子製造会社は、最も悪どい業者だけが生贄になって、残りの多数の業者はその陰に隠れてうやむやになりました。

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 日本の商人道は、世界に知られる大企業から街の魚屋や八百屋に至るまで、「正直一途」、「真面目一途」、「良品提供一途」の三途に徹していますから、中国の商人道とは大違いで、その対極にあります。どちらが本来の在るべき姿か、言を待ちません。


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