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日本の危機の記事 2 「CO2レッドゾーンへ」(2012/01/09、16・産経) [明治維新胎動の地、萩]

                                                     .by  N.Hori

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日本の危機の記事を随時、紹介して、注意を喚起したいと思います。

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石原慎太郎氏の「地球は滅びるだろう」(1/9)と長辻象平氏の「CO2レッドゾーンへ」(1/16)の記事の紹介です。

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昔、一休和尚は、正月には杖の柄の先に骸骨を載せて辻説法をし、「正月は冥土への道の一理塚」と説いたそうだが、昨年12月のダーバンでのCO2に関する世界会議の体たらくはどういうことなのか。会議を延長して得られた合意とは、重病の病人に手当をしないことへの合意としかいいようない。地球温暖化の元凶であるCO2の多量排出国であるアメリカ、シナ、インドの3国がごねた末のゴネ得の所産以外の何ものでもありはしない、彼らが納得するための案を今後4年掛かって作成し、それをさらに5年先に稼働させるという決定が何の足しになりはしないことは自明であり、その間、これから9年間、温暖化は加速されて進み、異常気象は最早異常なものはなしに正常なものになってゆく。いや、既になっている。

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 昨年、日本やタイを襲った豪雨禍やアメリカ東部の豪雪など枚挙に暇のない自然災害は、想定外のものではなしに至極当然のことでしかない。

世界中の氷は溶け続け、NASAの予測通り、北極海の氷も後10年で消滅するだろう。それによって大洋は水嵩を増し、増えた水は地球の自転の遠心力により赤道付近で水嵩を増し、ツバルのような海浜国家は水没し、増えた水面で蒸発が増え、陸地に注がれ、従来に増した降雨、降雪となって災害をもたらす、というごくごく当たり前の循環の変化でしかありはしない。

そして、今まで何度となく引用してきた、私が40年前、東京での講演で聞いた天才宇宙学者ホーキングの予言「地球のように文明の進んだ惑星は宿命として自然の循環が狂い、この地球もまた宇宙時間からすれば瞬間的に、地球時間とすればおよそ100年ほどで、その生命体は消滅するだろう」という言葉が恐ろしい余韻で思いおこされる。

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 福田和也氏の名論文「なぜ、日本人はかくも幼稚になったのか」の中の至言として「幼稚な人間とはIQが低いとか常識がないということではなしに、何が肝心かが分からぬ。そして肝心なことについて考えようとしない者だ」とあったが、自らの存在の基盤であるこの地球という天体が宇宙原理のもたらす巨きなサイクルに関わりなしに、人間自身がもたらした文明の進展の結果損なわれ、自らのあるいは子孫の生命が損なわれようとしているのに、それを左右する最も肝心なことを考えようとしないのはまさに恐るべき幼稚さとしかいいようがない。その幼稚さの所以とは、文明が育んだ人間たちの我欲に他ならない。

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大気中のCO2濃度が今年、遂に400ppmのレッドゾーンに達しそうだ。植物の光合成によって吸収されるCO2の量は、夏に多く、冬には少なくなり、CO2濃度は初春に一番高くなる。1991~2000年の10年間は、毎年1.7ppmの増加だったが、最近の10年間は2ppmに加速している。400ppmの平均濃度は地球が吸収できる量の2倍に当たる。これはあまりにも異常な状態だ。新たな吸収する方法が見つからないと、化石燃料を燃す余裕はなさそうだ。


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コメント 7

ぼくあずさ

堀さん
石原知事は原発反対を言い出したのではありませんか?
LPG発電建設計画は沙汰やみの様ですが。
by ぼくあずさ (2012-02-10 01:16) 

あゆさこ

 北極の氷が、あと10年で消滅するんですか?(..;)ホーキングの予言、恐ろしいですね。(;。;)
by あゆさこ (2012-02-11 03:03) 

ぼくあずさ

堀さん
長文のコメント、拝見。貴兄が紹介された石原都知事の従来の考えは
大筋私もその通りだと理解していました。今出所は忘れましたが、彼も大衆迎合の政治家なのかと失望したので、貴兄に問合わせたのです。
by ぼくあずさ (2012-02-11 22:33) 

N.Hori

あゆさこさん、裏市長さん、rtfkさん、馬爺さん、海を渡るさん、アルマさん、nikiさん、カリメロさん、niceを有難度うございました。
あゆさこさん、コメントを有難度うございました。地球温暖化の影響、ホーキングの予言とも恐ろしいですが、人類の英知で、複合的な対策を考えて、超克して貰うことを期待します。

by N.Hori (2012-02-12 11:35) 

ぼくあずさ

N.Horiさん
石原慎太郎、福田和也の両氏と貴兄の考えの区分が判りずらい
との意見が寄せられています。
by ぼくあずさ (2012-02-12 14:49) 

N.Hori

ぼくあずさん、コメントを有難度うございました。
石原知事は産経記事で、次のように述べています。私が言いたいことは、福島の事故以来、原発廃止論の論拠なるものの多くが放射線への恐怖というセンチメントに発していることの危うさだ。恐怖は何よりも強いセンチメントだろうが、しかしそれに駆られて文明を支える要因の原発を否定してしまうのは軽率を超えて危険な話だ。軽量の放射能に長期に晒される経験は人類にとって見曾有のものだけに、かっての原爆被爆のトラウマを背負って倍化される恐怖は頷けるが、しかしこうした際にこそ人間として備えた理性でものごとを判断する必要があろうに。理性的判断とはものごとを複合的に捉えてということだ。
ある期間を想定してその間我々がいかなる生活水準を求めるのか、それを保証するエネルギーを複合的にいかに担保するのかを斟酌計量もせずに、平和の内での豊穣な生活を求めながら、かっての原爆体験を背に原子力そのものを否定することがさながらある種の理念を実現するようなセンチメンタルな錯覚は結果として己の首を絞めることにもありかねない。
人間の進化進歩は他の動物は及ばない人間のみによるさまざまな技術の開発改良によってもたらされた。その過程で失敗もあり、その超克があった。それは文明の原理で原子力もそれを証すものだ。そもそも太陽系宇宙にあっては地球を含む生命体は太陽の与える放射線によっても育まれてきたのだ。それを人為的に活用する術を人間は編み出してきた。その成果を一度の事故で否定し放棄していいのだろうか。そうした行為は「人間が進歩することによって文明を築いてきたという近代の考え方を否定するものだ。人間が猿に戻ることーー」と吉本隆明氏も指摘している。地震、津波など日本の地政学的な条件などを斟酌せずに、ことを進めてきた原発当事者たちの杜撰さこそが欠陥であって、それをもって原子力そのものを否定してしまうのは、無知に近い野蛮なものでしかありはしない。
by N.Hori (2012-02-12 17:55) 

N.Hori

この文章は、新聞記事をそのまま、紹介したものですので、私の意見はほとんどありません。今後、新聞記事を引用して、私の意見を書くようにしたいと思います。

by N.Hori (2012-02-18 19:43) 

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