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藪睨みで平成二十三年を振り返る -8/9 [稲門機械屋倶楽部]

                                   2011-12 WME36 村尾鐵男

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ナッチャンWorld と チキ7000

 大分県の日出生台(ヒジュウダイ)演習場で1110日から行われた陸上自衛隊の演習に、初めて北海道の第7師団が参加し、それに先立って、117日、苫小牧港から東日本フェリーの双胴高速フェリー「ナッチャンWorld」(10,712トン、36ノット)によって、90式戦車4輌と89式装甲戦闘車10輌を含む52輌の軍用車輌と約230名の隊員が大分まで輸送されました。

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 一方、1031日には、JR貨物の札幌貨物ターミナルから西大分まで、73式装甲戦闘車10輌が貨物列車で輸送されました。

 73式装甲戦闘車の重量は13トンですが、これを重量物運搬用の鉄道貨物車輌「チキ7000」に1輌ずつ載せて、10輌のチキ7000で編成する特別列車です。

 チキ7000型貨物車輌は、昭和50年に当時の国鉄が150輌を製造したのだそうですが、今はJR貨物が僅かに10輌しか持っていない貴重な貨車です。JR貨物がチキ7000を普段は何処に置いてあるのか知りませんが、持てる10輌の総てを73式装甲車輌の輸送のために札幌に集めたことになります。

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昔、旧軍時代には陸軍に鉄道部隊があり、習志野に広大な演習用鉄道基地と線路がありました。今、その線路の一部が新京成電鉄の路線となっており、陸上自衛隊にも鉄道部隊はないようです。今回の札幌から大分までの装甲戦闘車輌の輸送はJR貨物と日通の多大な協力で可能になりました。

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さて、この戦車と装甲戦闘車輌の陸海による北海道から九州への輸送の最中、1119日にはインドネシアのバリ島で東アジア首脳会議が開かれ、アメリカからはクリントン国務長官が出席してオーストラリア北部への米国海兵隊の駐屯を公表して、中国による際限のない他国領土と領海での居座りを牽制しました。我が国からも野田首相が当然ながら参加しております。

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北海道の戦車部隊を九州へ移動させたことは、我が国の西方領域が他国に侵されたときの対応を試みるものであり、中国を牽制する意義を我が国の首脳が的確に理解したか、残念ながら不明です。


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