今回のオリンパス騒動で感じたこと -2/2 [サンアントニオ短信]
大嶋邦夫
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エンロンやワールドコムなどの先例はたくさんあり、粉飾決算は日本だけの問題ではありません。 しかし、過去日本は比較的クリーンなイメージを確立していただけに残念なことです。 経営陣を除く一般社員は真面目で優秀です。
オリンパスの内視鏡無くしては、世界の内視鏡手術は成り立たないでしょう。 会長以下の経営陣がそのエゴ、保身のために名門会社を危機に落しいれました。
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宗教がすべてではありませんが、神との間でもう一人自分を客観視する習慣が西洋文明にはあります。 日本でも優れた経営者には仏教に帰依する人も多いようです。 また多様性を排する仲間内経営にも問題があります。
形ばかりの社外取締役、監査制度も情報開示がなければ機能しません。
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国際化が言われて半世紀以上、オリンパスは内視鏡で世界企業という認識を持っていました。 しかし、その経営は全く典型的な日本企業のそれであることを今回の事件が露呈しました。 日本企業の国際化は道遠しです。 人体と同じように、同質の人間がいる組織に異物が入ると、それを排除しようとする力が働きます。 そこには論理よりも従来のやり方を守ろうとする感情が強く働くようです。 社外取締役、監査役を入れても、初めからそれを使う気がなく外部へのPRのためであれは期待しても無理でしょう。
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個人的経験ですが、若い時の日本企業、そして英・米企業勤務。 その後の日本企業では私が外から入った異物でした。 この企業の創業者、数人から会社を立ち上げ上場を果たした傑物で尊敬できる方でした。 しかし、組織の中に入り上下関係ができると如何に物が言えなくなり息がつまるか、己の力不足を思い知らされた人生経験もありました。
エンロンは1990年代後半、日本の大企業と組んで火力発電所建設計画を立上げ、電力業界には電力の自由化を迫る米国からの黒船到来の現実に緊張が走った。FDにも発電設備の仮発注がありおこぼれにあずかるはずだった。思いもかけずエンロン倒産という神風が吹き、日本は危機を脱した。エンロンに加担した日本の大企業はこの事件に口を噤んだ。性懲りもなく、第二のエンロンとも言うべき野田首相が黙認している菅・孫のメガソーラー計画に多数の地方首長が加担している。狙われているのは国民のカネと税金であることは明白。民主はろくなことをしない。
by ぼくあずさ (2011-11-13 14:20)