菜根譚 -4/10 [稲門機械屋倶楽部]
2011-09 WME36 村尾鐵男
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千金難結一時之歓、一飯竟致終身之感。
千金も一時の歓(カン)を結び難(ガタ)く、一飯(イッパン)も竟(ツイ)に終身の感を致す。
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「千金を積んでも、ただ一時の歓心を得難いこともあるのに、僅か一杯の食事で、その有り難さを終生忘れないこともある」との意味で、人に施すための「時と場合」の大切さを教えています。
この「菜根譚」の言葉が語源かどうかは判然としませんが、日本でも「一宿一飯の恩義」なる言葉が昔からあります。人は困っているときに、まさに一宿一飯が有り難いと思うことがあります。
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大功無功術、用術者乃所以為拙。
大功(タイコウ)は功術(コウジュツ)無く、術を用いる者は乃(スナワ)ち拙(セツ)と為す所以(ユエン)なり。
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「巧みな術策を持つ者は大功を挙げることが出来ず、術策を弄した結果は拙劣である」との意味です。
策を弄して延命を謀る某国宰相の実例がありますが、その拙劣な結果は国政を混乱させるだけになっています。
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放得功名富貴之心下、便可脱凡。
功名富貴(コウミョウ・フキ)の心を放(ハナ)ち得て下(クダ)せば、便(スナワ)ち凡(ボン)を脱すべし。
「功名を立て、富貴に恵まれようとの心を捨て去ることができれば、凡庸俗悪の境地から抜け出てることができる」との意味で、人を凡人にして俗悪な悪相にするのは、功名を立てようと焦って常に周辺を見廻し、財産を増やそうと常に人の隙を窺うことだと言っております。
情けないことですが、このような凡人が今の日本には多過ぎるようで、政治の世界までが「凡人続出」の様相を呈しています。ましてや他人の功を横取りしたがる凡人宰相を戴いた日本は世界の笑い者に成り下がります。
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