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菜根譚  -3/10 [稲門機械屋倶楽部]

                                          2011-09 WME36 村尾鐵男

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清能有容、仁能善断。

清(セイ)にして能(ヨ)く容(イ)るるあり、仁(ジン)にして能(ヨ)く断(ダン)を善(ヨ)くす。

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 僅か八文字で表すにはその内容が深過ぎて、容易に理解できぬことがあります。

「清廉潔白を旨とする人物は鷹揚さに欠ける場合が多いが、それでも胸の広さと深さ、即ち、雅量を示すことが必要であり、又、ときに人情と同情心に負けてしまう仁者も、ときには断乎たる決断を下すことも必要である」との意味で、これが「人情反復、世路崎嶇」の世の中を生きるためには欠かせないと説いています。

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樂處樂非真樂、苦中樂得來、纔見心體之真機。

樂處(ラクショ)の樂(ラク)は真の樂(ラク)にあらず、苦中(クチュウ)に樂(ラク)得(エ)來たりて、纔(ワズ)かに心體(シンタイ)の真機(シンキ)を見る。

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 楽しい遊びや仕事で楽しいと思うのは本当の楽しさではない。苦しみの内に楽しさを得てこそ、纔(ハジメ)て心身共に楽しめるきっかけが見出せる。

「纔」は「ワズカ」と読みますが、僅かの意味ではなく、「初めて」とか「ようやく」の意味です。

 楽しいはずのことで楽しいと感じても、それを直ぐに忘れてしまうほどの楽しみであることは私達もしばしば体験していることです。一方で、苦しみの末に得た楽しさはいつまでも忘れることがなく、さらに次の飛躍への糧ともなります。

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施人母責其報。

人に施(ホドコ)しては、其の報いを責めること母(ナカ)れ。

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「人に施しを与えて、その報酬を求めてはならない」との意味で、当然と言えば当然のことでしょう。


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