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電力小売の部分自由化と発電・送電分離 -1/4 [エネルギー]

                                          .by ぼくあずさ

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世界の電力の自由化

世界的な規制緩和の波は、ある意味で特殊な商品である電力に及んだ。結果的には電気の投機化、設備投資の減退、大規模停電と巨大企業による独占という、恐らく意図しない、後戻りできない不幸な結果となった。

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EUの場合

1990年、2003年までに各国とも33%の電力を自由化することを決めた。経済エゴ剥き出しの競争原理により、各国は発電・送電・配電の民営化と再編を軸にして電力・ガス・水道などを扱う巨大パブリック・ユーティリティ企業が成立

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大手は仏EDF、独E.ONおよびRWE、瑞典ヴァッテンフォール、伊ENELの5社がある。準大手とした仏SUEZやスペインの西エンデサの2社がある。各国の弱小企業は全て他国の大手に買収され、準大手も買収工作を受けている。野に放たれた猛獣たちによる弱肉強食の世界。大手は、市場拡大を狙い全世界に触手を伸ばしている。

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発電・送電設備の投資を怠ったことから、日本に比べて程度の差はあれ各国の発電効率は低い。発電の80%(日本41% in 2010)を原発による仏に対し、独の電力コストは2.5倍であり、2022年までにメルケル首相、政治決断は何時まで守られるのやら。産業界は大反対、国民は其の後の電気代値上げでヒステリー状態から目覚めると友人のHerr Messerschmidt は見ている。

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米国の場合

2003年のNY、2005年のLOS大停電は大きな損害をもたらした。電力の自由化をした州では電気代が値上がりするなど住民不在の結果が出た処もあり、CAでは中止した。概ね、電力自由化に否定的である。

日米欧を巻き込んだエンロン事件については、次回で紹介します。

なお、電気総連は米国の電力自由化の調査報告書を出しています。

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ぼくあずさのComment

1.欧米では電力自由化により、電気が投機対象になり、電気代は上昇

2.電気の質が低下し、ブラックアウトの危険が増加

3.設備の投資が抑えられ、必要な設備の更新がされないまま

4.コストダウン優先となり、保守点検の手抜きが恒常化した

5.自由化による弊害のみが目立つ結果になりました

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米国電力事情視察調査報告 (2002.12)

http://www.denryokusoren.or.jp/comment/usashisatsu.html


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