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呉子の兵法 -7//7 [稲門機械屋倶楽部]

                           2011-06 MWE36 村尾鐵男

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渉水、半渡可撃。

水を渉(ワタ)りては、半ば渡りたるときに撃つべし。

「敵軍が川を渡っているときは、川の半ばまで渡ったときに攻撃すべし」

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以近待遠、以佚待勞、以飽待饑。

近きを以て遠きを待ち、佚(イツ)を以て勞を待ち、飽(ホウ)を以て饑(キ)を待つ。

「敵軍が遠くから遠征してくるのを自国内か自国に近いところで待ち受け、自軍は佚、即ち、楽をして疲労した敵軍を待ち、十分に食べて満腹状態で空腹の敵軍を待つ」

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三軍之災、生於狐疑。

三軍の災(ワザワイ)は、狐疑(コギ)より生ず。

「軍の災いは、進むか後退するかを迷ったときに生ずる」

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 呉起は、攻めると決めたら何が何でも攻め、後退すると決めたら何が何でも後退すべきで、軍を行くでもなく戻るでもない中途半端な状態にしてはならないと教え戒めています。

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 魏の文候は呉起を採用すべきかどうかと迷い、信頼する家臣の李克(リコク)に尋ねたのですが、李克は次のように答えたと伝えられます。

「呉起は貪欲で、好色です。しかし、軍の指揮官としては並ぶ者がいません」

 魏の文候は周辺諸国を平服させて、中国史上で初の覇王となったのですが、それには文官の李克と武官の呉起による献身の結果でした。

 古代中国では三人の兵家が有名で、それは孫子(孫武)と呉子(呉起)と孫臏(ソンピン)です。孫臏は孫武の子孫と伝えられますが、確認はできず、臏とは脚切りのことで、罪を犯して脚を切られていたと想像されます。                  (了)


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hanamura

どん欲で、好色…昭和には居ましたがぁ…、
平成から、「私はコレで会社を辞めました…、
人事上は、上司でも部下でも、困り者は避けたいですがぁ…。
会社…社会の活力には、人材も必要かもしれませんがぁ…。
by hanamura (2011-06-13 22:38) 

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