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杜甫、李白を詠う -3/5 [稲門機械屋倶楽部]

                         2011-05 WME36 村尾鐵男

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夢李白二首 杜甫 李白を夢みる 杜甫

其一          其の一

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死別己呑聲 死別 己に聲を呑み

生別常惻惻 生別 常に惻惻(ソクソク)たり

江南瘴癘地 江南 瘴癘(ショウレイ)の地

逐客無消息 逐客(チクキャク)消息無し

故人入我夢 故人(コジン)の我が夢に入るは

明我長相憶 我が長く相(アイ)憶(オモ)うを明らかにす

恐非平生魂 恐らくは平生の魂(コン)に非(アラ)ざらん

路遠不可測 路(ミチ)遠くして測(ハカ)る可(ベ)からず

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死別は慟哭の声を呑むしかないが、生き別れは常に心が痛む。

江南は猩獗の地だが、逐客李白の消息は無い。

故人(旧友)李白が夢に現れたから、私が彼を想い続けていることが彼にも通じたようだ。

でも、夢の中の李白は平生の李白とは違う。路は遠く離れていて推測もできない。

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 杜甫は李白と別れてから会っておらず、しかも李白が戦乱に巻き込まれて生死不明であったために心配していました。その李白が杜甫の夢に現れました。

 逐客とは長安の朝廷から追われた李白のことで、故人とは亡くなった人のことではなく、親しい友人のことです。その親しい李白が夢に現れたので杜甫の想いが李白に通じたかと喜ぶのですが、李白の様子がいつもと違います。

 杜甫は李白と遠く離れているので、幾ら想像を重ねても李白の置かれている現状を推し測ることができません。

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 この詩はこの後に続きます。杜甫が李白に想いを馳せる様を想像して下さい


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