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著名中国人による「空母建造反対」 [稲門機械屋倶楽部]

                                 20110-04-21 WME36 村尾鐵男

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 いささか旧聞に属して恐縮でありますが、私がしばしば引用させていただく石平(セキ・ヘイ)氏による眼を惹く記事が414日付産経新聞に掲載されておりました。石平氏は1962年に中国・四川で生まれ、北京大学哲学科卒業後に神戸大学大学院へ留学し、2006年に日本国籍を取得した方です。

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 その石平氏の記事によると、中国社会科学院の研究員を経て、定年後の現在、民間研究所である天則経済研究所の所長を務める茅于軾(マオ・ウーシー:カヤ・ウシキ)氏が自らのブログで、「中国は空母の建造を止め、むしろ軍縮を行うことで名誉ある地位を得るべき」との論を堂々と明らかにしたとのことです。

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 この論で注目されることが二点あります。先ず、空母建造中止論がコストと効果の面から論考されていることです。残念ながら、石平氏の記事に茅于軾氏の “Cost-Performance”論の詳細が記述されておらず、その論拠が不詳でありますが、中国政府の軍拡政策に一石を投ずる勇敢な行動に驚きます。

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 二点目は茅于軾氏が納税者の立場から主張していることであります。民主化要求者とか反共産主義者の立場ではなく、納税者の立場に立ったことは大いに注目されます。最近の中国では、納税者が次第に言葉を発するようになっており、中国共産党もその政府も、憲法上は発言の自由が保障されている建前の下で、納税者の発言を力で抑えることが出来ず、特に地方政府では税金の乱脈使途に納税者による監視の目が強まり、遼寧省撫順市では納税者の声に屈服した実例も現れています。

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 現在の中国で政府の政策や行動に異を唱えることは容易ではなく、ときに身の危険を覚悟しなくてはならないのですが、「納税者」としての立場は民主化要求グループや反体制グループに較べれば、より安全であり、政府も無視し難い利点を持ちます。なかなか良いところに着眼したと思われます。

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 今後、この「納税者論」が如何に発展するか、或いは、政府側も対抗策を見出すか、暫くは注目に値する動きです。しかし、繰り返しですが、空母建造反対を唱えた茅于軾氏の勇気には感嘆し、且つ驚きを隠せません。


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ぼくあずさ

中国の軍拡は止まることはない。このまま行くと、米中が一戦を交えることになるでしょう。どんな形で始まり、どんな形で休戦になるのか私には想像もつきませんが。中国が核兵器を先に使えば、取り返しがつかない惨劇になります。中国に頼らなくても米国は生きて行けると腹を固めれば、対中禁輸を行うことになります。EUや日本は同調するでしょう。
中国は、国内にある外国企業の全財産を公有化します。この時点で、米国は武力行使を開始する。中国軍は日本侵略で対抗するでしょう。
日本は財政赤字に悩まされていますが、軍事費増大は必要です。


by ぼくあずさ (2011-04-23 22:11) 

hanamura

中国の平和安定の為には、軍「縮」路線でしょうがぁ…、
世界平和(地球環境)の為には、中国の軍「拡」張路線かなぁ…、
早く崩壊するか?緩やかに崩壊するか?その違いですがぁ…、
日本も早めのぉ崩壊路線にぃ…参りますか?ここは「拡」ですか?
by hanamura (2011-04-24 12:47) 

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