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米国 Southwest航空の B737機、天井に穴 -1/3 [稲門機械屋倶楽部]

                                          2011-04-10 WME36 村尾鐵男

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 東日本大地震と大津波のニュースに隠れてしまいましたが、45日、米国Southwest航空の B737型機は、乗客を乗せた飛行中に客室天井に穴が開き、しかも同様の事故がこの航空会社で立て続けに三件も起きました。

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金属疲労

 飛行中の旅客機の天井に穴が開いた事例として思い出すのが、1988年4月28日にハワイのアロハ航空で起きた事故です。ハワイ島のヒロからオアフ島のホノルルへ飛んでいたB737型機に起きた事故ですが、このときは天井に穴が開いたと形容できるような損傷ではなく、高度24,000フィート(7200m)で飛行中に天井と側壁が18フィート(5.5m)ほどの長さで吹き飛び、マウイ島へ緊急に着陸しました

89名の乗客の内、60余名が負傷して、3名の客室乗務員の内、Clarabelle Lancingが空中へ吸い出されて行方不明になり、Jane Sato-Tomitaは破損した部材に挟まれて重傷を負い、Michelle Hondaは無傷でした

さらに遡ると、英国が誇ったコメット旅客機の事故があります。1953年(昭和28年)5月から翌1954年(昭和29年)4月までのほぼ一年間にいずれも空中分解か海中へ没する三件の原因不明の事故に見舞われ、英国政府はコメット機を飛行停止にし、ブラバゾン委員会を設置して徹底的な原因究明に乗り出しました。

実物の胴体を巨大なプールに沈め、機内与圧と同じ負荷を繰り返して加えた結果、事故機と同じ飛行時間に相当する頃に、胴体に小さな亀裂が生じ、それが大きく成長して遂に外板が破断して剥がれるに及びました。

金属疲労(Metal Fatigue)なる言葉が世の中に知られるようになったのは、私が知る限り、このときからであり、英国航空機産業は大きな犠牲を払いながらも、航空機産業の発展に大いに寄与しました。しかし、この事故で英国航空機産業が停滞している間に、米国ではボーイング社がB707型機を、ダグラス社がDC8型機を開発して世界の航空機市場を制覇してしまいました。


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