SSブログ

女流詩人による漢詩の世界 -3/7 [稲門機械屋倶楽部]

               2011-03-01 WME36 村尾鐵男

.

蝶戀花:送春 宋 朱淑真

.

樓外垂楊千萬縷

欲系青春

少住春還去

猶自風前飄柳絮

隨春且看歸何處

.

緑満山川聞杜宇

便倣無情

莫也愁人苦

把酒送春春不語

黄昏卻下瀟瀟雨

.

春を送る

樓外の垂楊(シダレヤナギ)、千萬の縷(イト)

青春を系(ツナ)がんと欲し

少(イササ)か住(トド)めたり春の還(カエ)り去るを

猶も自ら風前に柳の絮(ワタ)を飄(タダヨ)わす

春に隨(シタガ)いて且(シバ)し看(ミ)ん何處(イズコ)

へか歸へるを。

緑、山川に満ちて杜宇聞こえ

便倣(タト)い無情なりとも

愁人を苦しますこと莫(ナカ)れ

酒を把(ト)りて春を送れど春は語らず

黄昏に卻(カエ)って瀟瀟たる雨下る

.

 蝶戀花とは詩の形式で、この詩の題は「送春」です。柳の絮は本来は柳絮(リュウジョ)です。便倣はこの二文字で「たとい」とか「たとへ」の意味です。


nice!(5)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

nice! 5

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。