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格安航空会社について -1/4 [稲門機械屋倶楽部]

                                 2001-12-16 WME36 村尾鐵男

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ぼくあずさ氏より格安航空会社について書くよう要請されました。確かに私は航空会社に勤務しておりましたが、定年で退職して既に10年以上が経ち、しかも格安航空会社が本格的に世に現われて来たのが、日本では最近の5年ほどのことですから、残念ながら私は具体的な数字を駆使してお話をすることができません。それを念頭に置いてお読み下さい。

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搭乗率が意味するところ

    日本航空(JAL)が苦境に見舞われて、新聞等にもJALの搭乗率が採算性の悪い路線について報ぜられることが多くなりました。

 仮に100席を備える航空機に65人の乗客が乗れば、搭乗率は65%となりますが、航空業界で言う搭乗率は単に座席が乗客で埋まった率を言うのではありません。

 航空輸送業界ではロード・ファクター(L/F: Load Factor)なる指標を使いますが、これは路線毎の運航コストの総額を予測し、その総コストと同額になる運賃収入が得られる座席数を試算し、これを搭乗率に於ける損益均衡点とか損益分岐点、或いは、Break-Even L/Fと称します。

 新聞報道に観られる「搭乗率」が単に座席が埋まった率を言うのか、損益均衡の概念を含んだ搭乗率であるかは不明ですが、航空会社が公表する搭乗率であれば、同時に損益が均衡する搭乗率も併せて公表しなくては、現実の窮状が判りません。又、搭乗率は乗客の座席のみで語られることが多いのですが、貨物も含めて、重量を基準とする搭載率で論じないと正確な議論になりません。

 しかし、乗客の搭乗率だけでも、路線の営業性向を概ね察することができます。

 一方、機種とか路線で損益均衡搭乗率は異なりますが、概括的に言えば、総座席数の三分の二が埋まれば概ね損益は均衡します。仮に100席の航空機なら65名から67名の乗客が搭乗すれば損益は均衡し、それ以上に搭乗した乗客が支払う運賃はそのまま利益となります。


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