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ミャンマーと中国 -7 [稲門機械屋倶楽部]

                                             2010-11 WME36 村尾鐵男

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日本は如何に対応すべきか

私もミャンマーには親しみを持ちますが、一方のミャンマー軍事政権はその本心以上に日本への親近感を装っているようにも見えます。それ故に、日本の政治理念とミャンマーの軍事政権が相容れぬことを日本政府は今まで曖昧にしており、それがミャンマーと中国の接近を容易にさせていることも否めません。

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昨年夏、民主党政権は発足直後に、インド洋で続けていた海賊監視国際艦隊への給油を停止し、代わってアフガンでの警察官訓練の費用負担を表明し、国際世論を唖然とさせましたが、中国は内心で大歓迎だったと想像されます。インド洋に日の丸を翻す価値が判らぬ拙劣な外交です。

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さて、日本はミャンマーの現状に如何に対応すべきか。決して生易しい課題ではありませんが、少なくとも毅然とした態度を表明する必要はあります。ミャンマーに於ける民主化運動抑圧に憂慮の念を遠まわしに表明しながらも、一方で日本企業の進出を容認していては国際社会に日本の理念を理解させることはできず、ミャンマーにも中国にも日本は強く出て来ないとの判断をさせることになります。

アウンサン・スーチー女史の資質は未だ不明でありますが、国政選挙で選ばれた者が政権の座に就けない現状はまことに異常であり、しかもその発言が封殺されていることも、本来はあってはならないことです。

敬虔な仏教国でアウンサン・スーチー女史の生命が脅かされることはなかろうと日本政府は楽観しているかに見えますが、これは事の本質を意図的に見誤っている卑怯な態度と思われます。今、もしアウンサン・スーチー女史の生命に脅威が及び、所在不明にでもなれば、穏健なミャンマー人も立ち上がり、軍事政権は崩壊して混乱し、これは中国にとっても野望を挫かれることになります。言葉が不穏当ですが、アウンサン・スーチー女史を生かさず殺さずの状態にしておくことがミャンマー軍事政権にも中国にも好ましい状態と考えられます。

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突飛なことと受け留められることは承知の上ですが、私はアウンサン・スーチー女史を、女史本人が望むなら、彼女の父親が日本へ逃れてビルマ独立の戦いを続けたように、日本へ亡命させることを提案します。但し、ミャンマー軍事政権に取り入っているらしき日本企業や中国の機嫌を日本政府が忖度することなく、彼女に一切の束縛なく発言させ、ミャンマーの民主化運動を日本から発信させることが肝要です

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日本は孫文やチャンドラ・ボーズの亡命を引き受け、明治27(1894)、黄海海戦で敗れた清国北洋艦隊の指揮官丁汝昌は責任を負って服毒自害を果たしましたが、その前に日本政府は亡命を勧めました。さらに最近ではペルーのフジモリ大統領の例もあります。

日本は民主化運動で拘束・軟禁され、政治的にも軍事的にも生命に危機を感ずる者の逃げ場でもあったことを私達は思い出すべきであり、その機会を再び与えることに躊躇ってはなりません。                             

                                                                                           (了)


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