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民主党、尖閣で中国に敗れたり -3 [稲門機械屋倶楽部]

                                        2010-10-03 WME36 村尾鉄男

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中国政府の窮地を救った日本政府

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漁船の船長が那覇地検に拘束されている間、中国政府は窮地に陥っていたと思われます。

尖閣諸島は中国領であると高らかに宣言していながら、その自国領であるはずの海域で自国の漁船が日本の海上保安庁に捕らえられ、船長は日本の官憲によって拘束され、日本政府は日本の国内法によって裁くと言明し、中国政府には対処すべき術がありませんでした。

その一方で、国内世論は、ネット文化に毒された若者を中心に反日の言論と運動が高まり、これが「政府は弱腰だ」との政府批判へと拡大する危険性を内包していました。又、拳を高く振り上げてはみたものの、日本と米国の同盟軍を相手に一戦を交えるだけの力は未だ中国海軍にはありません。中国政府はかくして袋小路に行き当たっていました。

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自民党政権であれば、善し悪しは別にして、内々の話のできる要人が双方にいて、互いの面子を保ちながら落としどころを探す水面下の話合いもできました。しかし、今の民主党政権にはそのような人物がいません。

鳩山由紀夫なら話ができるかもしれないし、本人も自分が北京へ行けば話ができると公言しているようです。しかし、北京から見ても、いつ言を翻すかも知れぬ鳩山由紀夫を相手にするのは極めて危険です。「君子、危うきに近か寄らず」です。

小沢一郎も水面下で話ができる相手でしょうが、いつ訴追されるかも知れず、さらに国民的不人気を体現している者と話をするのは、これも「君子、危うきに近か寄らず」です。

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その結果、中国政府は日本政府の出方が読み取れぬまま、苦肉の策に出ました。先ずは駐北京日本大使を休日の真夜中に幾度も呼び出す嫌がらせに始まり、訪日観光団の出国中止、レアアースの対日輸出禁止、日本向け輸出貨物の税関検査の厳格化、要人会見の延期等々、尖閣事件とは直接の関係を持たない対抗策しか思い浮かばない状況となっていました。

そして、苦肉の策の仕上げとして敢行したのが日本人4名の拘束でした。この4名は遺棄化学兵器処理の件で現場を訪れたのですが、この化学兵器は日本軍が遺棄したものではなく、終戦後に日本軍から当時の国民党軍へ正式に引き渡されたもので、中国国内での保菅方法が悪いために毒ガスや液体が漏れて土壌を汚染し、被害を受けた者も現われています。化学兵器の保菅責任は中国にありますが、この件が大々的に日本国内で報道されると、日本に処理義務はないとの正論が再び沸き起こる危険性が中国側にはあります。

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それでも、那覇で拘束されている船長との交換要員が欲しかったのでしょう。でも、成功しました。日本人4名の拘束に驚いた日本政府は船長を釈放し、これで中国政府は窮地から脱することができました。

中国は外交では百戦錬磨の達人です。日本の今の民主党政権は中国から見れば、これほど組し易い相手はいないでしょう。

(4)に続く


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